焼肉屋さんに行くと、カルビと並んで人気のメニュー「ハラミ」と「ロース」。どちらも美味しくて甲乙つけがたいですが、この二つの違いを詳しくご存知でしょうか?「名前は知っているけれど、具体的に何が違うの?」と疑問に思っている方も少なくないはずです。
実は、ハラミとロースは牛の体の全く違う部分のお肉なんです。ハラミは「内臓肉」に分類され、ロースはいわゆる「赤身肉」。部位が違うということは、もちろん味や食感、カロリー、そして美味しい食べ方も変わってきます。この記事では、ハラミとロースの違いをさまざまな角度から、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。それぞれの特徴を知ることで、次回の焼肉がもっと味わい深く、もっと楽しくなること間違いなしです。
ハラミとロースの基本的な違い

焼肉店で人気のハラミとロースですが、その正体は全く異なります。まず最も大きな違いは、牛の体の「部位」です。この部位の違いが、これから解説していく味や食感、栄養価など、すべての違いの元になっています。
実は内臓肉!ハラミの正体とは?
驚かれるかもしれませんが、ハラミは分類上「内臓肉(ホルモン)」にあたります。 しかし、一般的なホルモンのような独特の臭みは少なく、見た目や食感は赤身肉にとても近いため、赤身肉と同じように扱われることが多いのが特徴です。 濃厚な肉の旨味と、適度な脂の甘み、そして弾力のある食感が多くの人に愛されています。
ちなみに、ハラミとよく似た部位に「サガリ」があります。サガリも同じく横隔膜の筋肉ですが、ハラミが背中側なのに対し、サガリは肋骨側の厚い部分を指すという違いがあります。 味わいは似ていますが、サガリの方がハラミよりも脂が少なく、あっさりしていると言われています。
赤身肉の王道!ロースの部位について
ロースは非常に広い範囲を指す言葉で、主に以下の3つの部位に分けられます。
- 肩ロース:首に近い部分で、比較的筋肉質です。 脂肪が適度に含まれており、赤身の濃厚な旨みが特徴です。
- リブロース:背中の中央部分にあたり、ロースの中でも特にきめが細かく、霜降り(サシ)が入りやすい部位です。 柔らかく、脂の甘みと肉の旨みのバランスが絶妙です。
- サーロイン:腰の上部に位置し、「ステーキの王様」とも呼ばれる最高級部位の一つです。 サシが美しく入っており、とろけるような食感とジューシーな味わいが楽しめます。
このように、一口にロースと言っても、どの部分かによって肉質や味わいが大きく異なります。
一目でわかる!見た目の違いと見分け方
ハラミとロースは、見た目にも分かりやすい違いがあります。
| 特徴 | ハラミ | ロース |
|---|---|---|
| 色 | 濃い赤色 | 明るいピンク色~鮮やかな赤色 |
| 肉質 | 太い筋繊維がはっきりと見える | きめが細かく、滑らかな断面 |
| 脂肪 | 赤身の間に脂が適度に入っている | 「サシ」と呼ばれる霜降りが網目状に入っていることが多い |
| 形状 | 細長い形 | 部位によって様々だが、比較的大きな塊で取れる |
ハラミは筋肉の繊維が太く、肉々しい見た目をしています。 一方、ロースは肉のきめが細かく、特にリブロースやサーロインには美しい霜降りが入っているのが特徴的です。焼肉店で注文した際に、この見た目の違いに注目してみるのも面白いでしょう。
味と食感はどう違う?それぞれの魅力を比較

部位が違えば、当然ながら味や食感も大きく異なります。ハラミの力強い味わいと、ロースの繊細な味わい、それぞれの魅力を詳しく見ていきましょう。
濃厚な旨味と弾力!ハラミの味わい
ハラミの最大の魅力は、なんといってもその濃厚な肉の旨味とジューシーさです。 噛むほどに肉汁が溢れ出し、口いっぱいに肉本来の力強い風味が広がります。見た目は赤身肉のようですが、内臓肉ならではのコク深さも感じられます。
食感は、しっかりとした弾力がありながらも、硬すぎず噛み切れる絶妙な柔らかさを持っています。 筋肉の繊維が太いため、プリッとした歯ごたえが楽しめるのもハラミならではです。適度に含まれた脂は、しつこさがなく、肉の旨味を引き立てる上品な甘みがあります。ホルモン特有の脂っぽさが苦手な方でも、ハラミなら美味しく食べられることが多いでしょう。
繊細な肉質と上品な脂!ロースの味わい
ロースの味わいは、部位によって少しずつ異なりますが、共通しているのはきめ細かく柔らかな肉質と、上品な脂の甘みです。特にリブロースやサーロインといった霜降りが多い部位は、口に入れた瞬間にとろけるような食感が楽しめます。
脂の融点が低いため、舌の上で甘く香ばしい脂がすっと溶け出し、赤身の繊細な旨味と調和します。肩ロースは他の二つの部位に比べるとやや歯ごたえがありますが、それでも肉質は柔らかく、赤身の味が濃いのが特徴です。 全体的に、ロースは肉そのものの風味をじっくりと楽しみたい方におすすめの部位と言えるでしょう。
どちらが好き?食感の徹底比較
ハラミとロースの食感を比較すると、その違いは明確です。
- ハラミ:「弾力」「歯ごたえ」「ジューシー」がキーワード。プリッとした噛みごたえがあり、肉を食べているという満足感が非常に高いです。
- ロース:「柔らかい」「とろける」「きめ細かい」がキーワード。特に霜降り部分は、噛む必要がないほど滑らかで、繊細な食感が特徴です。
どちらが良いというわけではなく、これは完全に好みの問題です。「しっかりとした歯ごたえのある肉が好き!」という方はハラミを、「とろけるような柔らかい肉が好き!」という方はロースを選ぶと、より満足できるでしょう。その日の気分で選んでみるのも焼肉の醍醐味です。
カロリーや栄養価をチェック!ヘルシーなのはどっち?

美味しさだけでなく、カロリーや栄養価も気になるところです。特にダイエット中や健康を意識している方にとっては、どちらを選ぶべきか悩むポイントかもしれません。ここでは、ハラミとロースのカロリーと栄養成分を比較してみましょう。
ハラミのカロリーと栄養成分
牛ハラミ(横隔膜)の100gあたりのカロリーは、約288kcalです。
焼肉の部位の中では、カルビ(和牛バラ肉:約472kcal)やサーロイン(和牛:約460kcal)と比較すると、カロリーは低い傾向にあります。
栄養面では、ハラミは良質なたんぱく質を豊富に含んでいます。 また、内臓肉であることから、貧血予防に役立つ鉄分や、エネルギー代謝をサポートするビタミンB群も含まれているのが特徴です。 特に、赤血球の生成に不可欠なビタミンB12が豊富です。
牛ハラミ(100gあたり)の主な栄養成分
- カロリー:約288 kcal
- たんぱく質:約14.8 g
- 脂質:約27.3 g
※数値は目安です。
ロースのカロリーと栄養成分
ロースのカロリーは部位によって大きく異なります。一般的に焼肉でよく使われる和牛の肩ロースは100gあたり約380kcal、リブロースは約502kcalです。
ロースもハラミと同様に、たんぱく質やビタミンB群が豊富です。脂質には、体内でエネルギーになりやすい飽和脂肪酸や、血中のコレステロール値を調整する働きがあるとされるオレイン酸などが含まれています。霜降りの度合いによってカロリーや脂質の量は変動しますが、総じてハラミよりは高カロリーになる傾向があります。
- 肩ロース:カロリー 約380 kcal、たんぱく質 約14.0g、脂質 約36.5g
- リブロース:カロリー 約502 kcal、たんぱく質 約10.3g、脂質 約54.4g※数値は目安です。
ダイエット中におすすめなのは?
カロリーと脂質の数値を比較すると、ダイエット中に選ぶならハラミの方がおすすめです。 ハラミはカルビやロースに比べてカロリーが低く、脂質も控えめです。 それでいて、しっかりとした食べ応えがあるため、満足感も得やすいでしょう。
ただし、どんなお肉でも食べ過ぎは禁物です。ハラミを選ぶ場合でも、タレのつけすぎに注意したり、サンチュなどの野菜と一緒に食べたりする工夫をすると、よりヘルシーに焼肉を楽しむことができます。ロースが食べたい場合は、比較的赤身が多い部位を選んだり、量を控えめにするなどの工夫をすると良いでしょう。
値段や希少性について

焼肉店での価格設定や、スーパーで見かける値段も気になるところです。ハラミとロース、どちらがより高価で手に入りにくいのでしょうか。
ハラミの価格帯と希少価値
ハラミは、牛一頭からわずか2〜3kgほどしか取れない、非常に希少な部位です。 そのため、近年人気が高まるにつれて価格も高騰する傾向にあります。焼肉店では、カルビやロースと同等か、それ以上の値段で提供されることも少なくありません。
特に、国産和牛のハラミは流通量が非常に少なく、高級焼肉店などでしかお目にかかれないこともあります。スーパーなどで一般的に流通しているのは、アメリカ産やオーストラリア産の輸入ものがほとんどです。
ロースの価格帯と種類
ロースの価格は、その部位とランク(等級)によって大きく変動します。一般的に、肩ロースは比較的リーズナブルな価格で手に入りますが、リブロース、サーロインと部位が腰に近づくにつれて価格は上昇します。
また、同じサーロインでも、A5ランクの黒毛和牛と輸入牛では価格に何倍もの差が出ます。幅広い価格帯で流通しているため、予算に応じて選びやすいのがロースの特徴とも言えるでしょう。高級なイメージがありますが、比較的安価な肩ロースの薄切りなどは、普段使いの食材としても人気です。
コスパが良いのはどちら?
一概にどちらがコスパが良いとは言えませんが、シーンによって考えると選びやすくなります。
- 希少価値と満足感を求めるならハラミ:絶対量が少ないため、価格は安くありませんが、独特の食感と濃厚な味わいはハラミならでは。特別な日の焼肉などで、その価値をじっくり味わうのがおすすめです。
- 価格と品質のバランスで選ぶならロース:ロースは価格帯が広いため、予算に合わせて選べます。 例えば、輸入牛の肩ロースであれば手頃な価格で手に入りますし、奮発すれば最高級のサーロインを味わうことも可能です。日常的な食事から特別な日まで、幅広く対応できるのがロースの強みです。
最終的には、どちらの味や食感が好みかという点が最も重要になります。
もっと美味しく!おすすめの食べ方と焼き方

せっかくの美味しいお肉も、焼き方を間違えてしまうと魅力が半減してしまいます。ハラミとロース、それぞれの特徴を最大限に引き出す焼き方のコツと、おすすめの食べ方をご紹介します。
ハラミのジューシーさを引き出す焼き方のコツ
ハラミは内臓肉に分類されるため、基本的には中心までしっかりと火を通すことが推奨されています。 しかし、焼きすぎてしまうと硬くなってジューシーさが失われてしまうため、火加減が重要です。
- 強火で一気に表面を焼く:まず、火力の強い網の中心で片面を焼きます。 表面にカリッとした焼き色をつけることで、旨味を中に閉じ込めます。
- 肉汁が浮かんできたら裏返す:お肉の表面にキラキラとした肉汁が浮かんできたら、裏返すタイミングです。 何度もひっくり返すと肉汁が逃げてしまうので、裏返すのは一度だけが理想です。
- 裏面も同様に焼く:裏面にも焼き色がついたら完成です。焼きすぎず、中心部がほんのりピンク色くらいが、柔らかさとジューシーさを最も楽しめる焼き加減です。
焼く前にお肉を常温に戻しておくことも、美味しく焼くための大切なポイントです。 冷たいままだと火の通りにムラができてしまいます。
ロースの旨味を最大限に楽しむ焼き加減
ロース、特にサシ(霜降り)が多く入ったリブロースやサーロインは、焼きすぎないことが絶対のルールです。
- 片面をさっと焼く:ロースは薄切りのことが多いので、強火で片面をさっと炙るように焼きます。
- 肉の色が変わったら裏返す:肉のフチの色が変わり、表面に少し汗をかくように肉汁が出てきたら裏返します。
- 裏面は数秒でOK:裏面は焼きすぎると硬くなる原因になります。数秒焼いて、好みの焼き加減(レア〜ミディアムレアがおすすめ)で網から上げましょう。
脂が多い部位なので、焼いていると脂が炭に落ちて炎が上がることがあります。 その際は、網の端の方に肉を移動させて焦げ付かないように注意してください。
おすすめのタレと薬味
お肉の個性に合わせ、タレや薬味を選ぶことで、さらに美味しさが引き立ちます。
- ハラミにおすすめ
- タレ:濃厚な味わいのハラミには、甘辛い醤油ベースのタレや、ニンニクやコチュジャンが効いた味噌ダレがよく合います。ご飯がどんどん進む組み合わせです。
- 薬味:刻みネギ、おろしニンニク、一味唐辛子などでパンチを効かせるのもおすすめです。
- ロースにおすすめ
- タレ:肉本来の上品な味を楽しむために、塩や胡椒でシンプルに味わうのが一番です。 また、わさび醤油やポン酢でさっぱりといただくのも、脂の甘みを引き立ててくれます。
- 薬味:刻みわさび、大根おろし、すだちなどが、霜降り肉の脂をすっきりとさせてくれます。
もちろん、これはあくまで一例です。色々な組み合わせを試して、自分だけのお気に入りの食べ方を見つけるのも焼肉の楽しみ方の一つです。
まとめ:ハラミとロースの違いを知って焼肉をもっと楽しもう!

今回は、焼肉の人気メニュー「ハラミ」と「ロース」の違いについて、様々な角度から解説しました。
最後に、この記事のポイントを簡潔にまとめます。
- 部位の違い:ハラミは「横隔膜」で内臓肉、ロースは「背中の肉」で赤身肉です。
- 味と食感の違い:ハラミは濃厚な旨味と弾力のある食感、ロースはきめ細かく柔らかな肉質と上品な脂の甘みが特徴です。
- カロリーの違い:一般的に、ロースよりもハラミの方が低カロリーでヘルシーです。
- 希少性と価格:ハラミは一頭から取れる量が少なく希少価値が高い一方、ロースは部位やランクによって価格帯が幅広いのが特徴です。
- おすすめの食べ方:ハラミはしっかり焼き、濃厚なタレで。ロースは焼きすぎず、塩やわさびで肉本来の味を楽しむのがおすすめです。
これらの違いを知ることで、焼肉店でのメニュー選びがもっと楽しくなり、それぞれの部位が持つ魅力をより深く味わうことができるはずです。次の焼肉では、ぜひハラミとロースを食べ比べて、自分好みの味を見つけてみてください。



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