メンブレン・ハラミすじとは？その正体と美味しい食べ方を解説

焼肉の人気部位「ハラミ」はご存じでも、「メンブレン」や「ハラミすじ」という名前は初めて聞く方も多いかもしれません。実はこれ、ハラミの美味しさを陰で支える、知る人ぞ知る希少な部位のこと。その正体は、牛の横隔膜（ハラミ）に付いている膜状のスジで、独特の食感と濃厚な旨味が詰まっています。

この記事では、そんなメンブレン（ハラミすじ）の魅力を徹底的に掘り下げます。ハラミ本体とはどう違うのか、どんな味や食感がするのかといった基本的な情報から、その美味しさを最大限に引き出す食べ方のコツ、さらにはどこで購入できるのかまで、分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、あなたもきっとメンブレンの虜になり、次回の焼肉や煮込み料理がもっと楽しみになるはずです。

メンブレン・ハラミすじとは？ハラミとの違いを解説

焼肉好きや食通の間で密かに人気を集める「メンブレン（ハラミすじ）」。その名前からハラミの一部であることは想像できますが、具体的にどのような部位で、普段私たちが食べているハラミとはどう違うのでしょうか。ここでは、その正体とハラミとの関係性について、詳しく見ていきましょう。

メンブレン・ハラミすじは牛のどの部分？

メンブレン（ハラミすじ）は、牛の横隔膜にある「ハラミ」と「サガリ」という二つの部位を隔てている膜状のスジのことです。 見た目は白い板のような形状をしており、赤身肉であるハラミとは全く異なります。

分類上は内臓（ホルモン）の一部とされ、牛一頭から取れる量もごくわずかなため、非常に希少な部位として扱われています。 そのため、精肉の段階でハラミすじだけを分けて取り出すことは少なく、多くはハラミに付いたままの形で流通しています。 これを仕込みの段階でお店や料理人が切り離して使用するのが一般的です。 この希少性が、メンブレンが特別な部位として扱われる理由の一つです。

ハラミ本体との関係性と違い

ハラミとメンブレン（ハラミすじ）の最も大きな違いは、その組織です。ハラミが横隔膜の「筋肉」であるのに対し、メンブレンはその筋肉を覆っている「膜（スジ）」です。

このように、隣接していながらも全く異なる個性を持つ両者。ハラミの柔らかくジューシーな旨味と、メンブレンの歯ごたえのある食感と濃厚なコク、この二つの違いを味わうのが醍醐味と言えるでしょう。

なぜ「メンブレン」と呼ばれるのか

ハラミすじが「メンブレン」と呼ばれるのは、英語の「membrane」に由来します。これは「膜」や「薄膜」を意味する言葉で、その名の通り、メンブレンがハラミを覆う膜状の部位であることから、この名で呼ばれるようになりました。

精肉業界や焼肉の専門店ではこちらの呼び方が定着しており、通販サイトなどで探す際も「メンブレン」というキーワードで検索すると見つけやすいでしょう。 私たちの身近なところでは、コンビニのおでんに入っている牛すじ串に、このメンブレンが使われていることも多いんですよ。

メンブレン・ハラミすじの味と食感の魅力

メンブレン（ハラミすじ）が多くの食通を惹きつけてやまない理由は、その独特の味と食感にあります。単なる「スジ肉」と侮ってはいけません。そこには、他の部位では味わえない複雑で奥深い魅力が凝縮されています。一度その味を知ってしまうと、やみつきになること間違いなし。ここでは、メンブレンが持つ濃厚な旨味、特有の食感、そして焼肉好きに愛される理由について、さらに詳しく掘り下げていきます。

濃厚でジューシーな旨味の正体

メンブレンの最大の魅力は、なんといってもその濃厚でジューシーな脂の旨味です。ハラミ本体の肉の旨味がたっぷり詰まったスジなので、噛みしめるほどに奥深いコクと甘みが口の中に広がります。

内臓肉特有の風味も少しありますが、それがクセになる味わいを生み出しています。 加熱すると、焼いているときから立ち上る香ばしい香りが食欲を強烈に刺激するでしょう。この濃厚な味わいは、白ごはんとの相性も抜群で、ついついお箸が進んでしまいます。また、タレとの絡みも非常に良く、甘辛いタレをまとわせることで、その旨味はさらに引き立ちます。

コリコリ？プルプル？唯一無二の食感

メンブレンは、味だけでなく「コリコリ」とした唯一無二の食感も大きな特徴です。 これは、メンブレンが膜状の繊維質な組織であることから生まれます。ただ硬いだけでなく、しっかりとした歯ごたえがあり、噛むほどに旨味がじゅわっと染み出してきます。

赤身肉の柔らかさとも、アキレス腱などの他の牛すじとも違う、この独特の噛みごたえが、多くの人を虜にしているのです。

なぜ焼肉通に愛されるのか

なぜ焼肉に詳しい「通」な人たちは、こぞってメンブレン（ハラミすじ）を好むのでしょうか。その理由は、これまで述べてきた「濃厚な旨味」と「独特の食感」、そして「希少性」にあります。

これらの要素が組み合わさることで、メンブレンは「知る人ぞ知る絶品部位」としての地位を確立しています。定番のカルビやロースも美味しいですが、焼肉の新たな扉を開きたいなら、ぜひ一度メンブレンに挑戦してみてはいかがでしょうか。

メンブレン・ハラミすじの美味しい食べ方とレシピ

メンブレン（ハラミすじ）の魅力を最大限に引き出すには、その特性に合った調理法を選ぶことが大切です。濃厚な旨味と独特の食感は、シンプルな焼き物から手の込んだ煮込み料理まで、幅広いレシピで輝きます。ここでは、ご家庭でも簡単に試せる美味しい食べ方と、そのポテンシャルをさらに引き出すための下処理のポイントをご紹介します。

素材を活かす！塩コショウの網焼き

メンブレン本来の濃厚な旨味と香ばしさをダイレクトに味わいたいなら、塩コショウでシンプルに焼くのが一番のおすすめです。珍しく焼肉で食べることができるスジ肉で、周囲の肉の旨みがたっぷり詰まったスジは焼き上がると同時に濃厚な香りを放ちます。

フライパンやホットプレート、もちろん炭火の網焼きでも美味しくいただけます。強火で表面をカリッと焼き上げ、香ばしい焼き色をつけましょう。ただし、焼きすぎると硬くなってしまうため注意が必要です。噛み応えがある肉質なので、あらかじめ軽く切れ目を入れておくと食べやすくなります。 シンプルな味付けだからこそ、メンブレンの持つ脂の甘みと深いコクが際立ちます。

ご飯が進む！タレ焼きや炒め物

白ごはんとの相性を考えるなら、甘辛い焼肉のタレで味付けするのもたまりません。濃厚なメンブレンの旨味とタレの味わいが絡み合い、食欲をそそる一品になります。

タレ焼きにする場合のコツは、焼いた後にタレを絡める「からめ焼き」にすることです。先にタレに漬け込むと焦げ付きやすくなるため、素焼きである程度火を通し、仕上げにタレを加えて煮絡めるようにすると香ばしく仕上がります。また、細切りにして野菜と一緒に炒め物にしても絶品です。メンブレンから出た旨味のある脂が野菜に絡み、料理全体がワンランク上の美味しさになります。

じっくり味わう！煮込み料理での活用法

メンブレンは煮込み料理にも最適な部位です。少しクセがあるので、味噌やトマトなど、濃いめの味付けで煮込むと非常に美味しくいただけます。

臭みを消して旨味をUPする下処理

メンブレンは内臓肉（ホルモン）に分類されるため、調理前に簡単な下処理をすることで、特有の臭みが抜け、より美味しく食べることができます。

基本的な下処理は、「茹でこぼし」と「下茹で」の2段階です。

1. 鍋にメンブレンとたっぷりの水を入れて火にかけ、沸騰したら数分茹でてザルにあけ、流水でアクや汚れを洗い流します。（茹でこぼし）
2. 再度鍋にメンブレンと新しい水、そして臭み消しのための長ネギの青い部分や生姜などを入れ、柔らかくなるまで1時間〜2時間ほど下茹でします。

このひと手間を加えるだけで、メンブレンの美味しさが格段にアップしますので、ぜひ試してみてください。

メンブレン・ハラミすじはどこで買える？購入方法と選び方

その希少性から「どこで手に入るの？」という声も多いメンブレン（ハラミすじ）。かつては専門店の裏メニュー的な存在でしたが、近年その美味しさが知られるようになり、購入できる場所も増えてきました。しかし、普通のスーパーではなかなかお目にかかれません。ここでは、メンブレンを手に入れるための具体的な購入方法と、せっかくなら美味しいものを選びたいという方のために、選び方のポイントを解説します。

精肉店や業務用スーパーで見つける

メンブレンは一般的なスーパーの精肉コーナーに並ぶことは稀です。もし実店舗で購入したい場合は、以下のような場所を探してみるのがおすすめです。

• ホルモンに強い精肉店：地域密着型の精肉店、特にホルモン類の品揃えが豊富な店舗では、取り扱っている可能性があります。「メンブレン」や「ハラミすじ」があるか、直接尋ねてみると良いでしょう。
• 業務用スーパー：飲食店向けの商品を多く扱う業務用スーパーでは、冷凍の牛すじとしてメンブレンが販売されていることがあります。 量が多い場合もありますが、価格は比較的リーズナブルです。
• デパートの精肉売り場：高級な部位や希少部位を扱うデパートの精肉コーナーでも、取り寄せなどで対応してくれる場合があります。

ただし、いずれの場合も常時在庫があるとは限らないため、事前に電話などで確認してから訪れるのが確実です。

通販サイトなら手軽で確実

最も手軽で確実な購入方法は、インターネットの食肉専門通販サイトを利用することです。「メンブレン」「ハラミすじ」といったキーワードで検索すると、多くの商品が見つかります。

通販のメリット

• 手軽さ：自宅にいながら、いつでも注文できます。
• 豊富な選択肢：国産牛や和牛、輸入牛など、産地や品質も様々で、好みに合わせて選ぶことができます。
• 希少部位の入手しやすさ：実店舗では見つかりにくい希少部位も、通販なら簡単に見つけられます。

通販の注意点

• 送料：商品価格とは別に送料がかかる場合がほとんどです。冷凍便で届くことが多いため、送料は事前に確認しましょう。
• 品質の見極め：実際に商品を見て選べないため、ショップのレビューや商品説明をよく読んで、信頼できるお店から購入することが大切です。
• 保存方法：冷凍で届くことが多いので、届いたらすぐに冷凍庫で保管し、解凍方法の指示に従いましょう。

美味しいメンブレン・ハラミすじを選ぶポイント

せっかく購入するなら、より美味しいメンブレンを選びたいものです。通販サイトの写真や商品説明から品質を見極めるために、以下のポイントに注目してみてください。

時間が経つと全体的に色がくすんだり、黄色っぽく変色したりすることがあります。商品説明や写真で、できるだけ鮮度の良いものを選ぶようにしましょう。

まとめ：メンブレン・ハラミすじを味わい尽くそう

この記事では、知る人ぞ知る希少部位「メンブレン（ハラミすじ）」について、その正体から美味しい食べ方、購入方法まで詳しく解説してきました。

メンブレンは、牛の横隔膜（ハラミ）に付いている膜状のスジのことで、ハラミ本体とは全く異なる魅力を持つ部位です。 その最大の魅力は、ハラミ由来の濃厚な旨味と、焼けば「コリコリ」、煮込めば「トロトロ」に変化する唯一無二の食感にあります。 この奥深い味わいが、多くの焼肉好きや食通を惹きつけているのです。

美味しい食べ方としては、素材の味をダイレクトに楽しむ塩コショウでの網焼きから、ご飯が進む甘辛い味噌やタレでの煮込み料理まで、調理法次第で様々な表情を見せてくれます。 購入するには、品揃えが豊富なインターネットの食肉専門通販サイトを利用するのが最も手軽で確実です。

普段食べている定番の部位に、このメンブレン（ハラミすじ）を少し加えるだけで、食卓の楽しみ方がぐっと広がります。次にお肉を食べる機会があれば、ぜひこの魅惑の希少部位を探して、その奥深い味わいを体験してみてください。