ミスジが安い理由は?希少部位なのに手頃な価格の秘密と美味しい食べ方

価格と購入ガイド

焼肉店やスーパーで「希少部位」として見かけることがある「ミスジ」。美しい霜降りと柔らかさが魅力のお肉ですが、「希少部位なのに、意外と安い?」と感じたことはありませんか?「安いのは美味しくないから?」「何か理由があるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

実は、ミスジが比較的手頃な価格で手に入ることがあるのには、いくつかの理由があります。この記事では、ミスジが希少部位でありながら安く提供されることがある理由を、部位の特徴から流通の背景まで、わかりやすく解説します。さらに、安いミス-ジと高いミスジの違い、美味しいミスジの選び方、そしてその魅力を最大限に引き出すおすすめの食べ方まで、詳しくご紹介します。

この記事を読めば、ミスジに関する疑問が解消され、もっとお得に、そしてもっと美味しくミスジを楽しめるようになるはずです。

ミスジが安い理由とは?希少部位の価格の裏側

牛一頭からわずか2〜3kgほどしか取れない希少部位のミスジ。 なぜ他の希少部位と比べて、比較的手頃な価格で販売されていることがあるのでしょうか。その背景には、いくつかの理由が隠されています。

理由1:知名度が他の希少部位より低いから

ミスジが安い理由の一つに、サーロインやヒレといった他の有名な高級部位に比べて、一般的な知名度がまだ低いことが挙げられます。 どれだけ希少な部位であっても、それを求める人が少なければ、市場価格は高騰しにくいのです。

焼肉好きや食通の間では人気の部位ですが、一般の消費者にとってはまだ馴染みが薄いのが現状です。 この需要と供給のバランスが、ミスジの価格を比較的手頃なものにしている要因の一つと言えるでしょう。 しかし、その美味しさが広く知られるようになれば、将来的に価格が上昇する可能性も十分に考えられます。

理由2:スジが多く処理に手間がかかるから

ミスジという名前の由来にもなっているように、この部位には特徴的な3本のスジが入っています。 特に真ん中にある太いスジは、そのまま調理すると硬くて食べにくいため、美味しく食べるためには丁寧な下処理が必要です。

このスジを取り除く作業には手間と技術が求められ、精肉店や飲食店にとってはコストがかかります。 また、スジを取り除く過程で、可食部分が減ってしまうことも価格に影響します。スーパーなどで販売されているミスジの中には、このスジがついたままの状態で、ウデ肉の一部として安く売られているケースもあります。

ポイント: コストコなどで塊肉として販売されているミスジは、自分でスジを処理することで、より安く手に入れることができます。

理由3:「ウデ」の一部として扱われることがあるから

ミスジは、牛の肩甲骨の内側にある「ウデ」という大きな部位の一部です。 ウデ肉は全体的によく動かす部位であるため、筋肉質で硬めの肉質の部分が多く含まれます。

そのため、精肉の過程でミスジをわざわざ単独の部位として切り分けず、「ウデ肉」としてまとめて販売されることがあります。 このように、他の部位と一括りで流通する場合、希少部位としての価値が価格に反映されにくく、結果的に安価で販売されることがあるのです。 特に、豚肉の場合はミスジを分けずに「豚小間切れ」として安く販売されるのが一般的です。

理由4:輸入牛の存在

スーパーなどで安価に販売されているミスジには、アメリカ産やオーストラリア産などの輸入牛が多くあります。 国産の和牛に比べると、輸入牛は飼育コストなどが低いため、全体的に価格が安くなります。

特にアメリカ産のミスジは比較的安価で、1kgあたり1,000円から1,500円程度で取引されることもあります。 ただし、輸入牛のミスジは和牛に比べてサシ(霜降り)が少なく、赤身が主体で硬めの食感であることが多いため、ステーキや焼肉よりも煮込み料理などに用途が限られる場合があります。 このように、安価な輸入牛の流通も、ミスジ全体の価格を抑える一因となっています。

「安いミスジ」と「高いミスジ」は何が違う?

同じミスジでも、価格には大きな幅があります。では、安いミスジと高いミスジでは、具体的に何が違うのでしょうか。その違いを知ることで、用途や好みに合ったミスジを選べるようになります。

牛の種類やブランドによる違い

価格に最も大きく影響するのが、牛の種類やブランドです。

牛の種類 特徴 価格帯
和牛(黒毛和種など) 遺伝的に霜降り(サシ)が入りやすく、きめ細かい肉質が特徴。口どけが良く、とろけるような柔らかさと豊かな風味を味わえます。 松阪牛や神戸ビーフなどのブランド牛は特に高価になります。 高い
国産牛 日本国内で最も長く飼養された牛のこと。ホルスタイン種などの乳用種も含まれます。和牛に比べるとサシは少なめですが、赤身の旨味をしっかりと感じられます。 普通
輸入牛(アメリカ産、オーストラリア産など) 赤身が中心で、脂肪が少なくヘルシー。肉質は比較的硬めですが、肉本来の味わいが楽しめます。価格が手頃なのが最大の魅力です。 安い

特に和牛のミスジは、その格別な柔らかさと風味から高値で取引されます。 一方、スーパーなどで安価に売られているのは輸入牛であることが多いです。

A5ランクなど格付けによる違い

牛肉の品質は、「歩留等級(A, B, C)」と「肉質等級(5, 4, 3, 2, 1)」を組み合わせた格付けによって評価されます。最高ランクは「A5」です。

  • 脂肪交雑(BMS):霜降りの度合い。数値が高いほどサシが美しい。
  • 肉の色沢:肉の色や光沢。
  • 肉の締まり及びきめ:肉のきめの細かさ。
  • 脂肪の色沢と質:脂肪の色や質。

A5ランクのように等級が高いミスジは、霜降りが美しく、柔らかさや風味も格別なため、価格も高くなります。 焼肉店で「特上カルビ」として提供されることもあります。 安価なミスジは、この格付けが低いものである可能性があります。

精肉店の処理技術による違い

前述の通り、ミスジには硬いスジが入っています。 このスジをいかに丁寧に取り除き、美味しい部分だけを商品にするかという処理技術も価格に影響します。

技術の高い職人がいる精肉店では、硬いスジをきれいに取り除き、肉の繊維を読んで最も柔らかく感じられるようにカットしてくれます。こうした手間と技術が価格に上乗せされるため、高価になる傾向があります。 一方で、スジが付いたまま、あるいは簡易的な処理で販売されているものは、その分安く手に入れることができます。

ミスジってどんな部位?味や食感の特徴

ミスジの価格の秘密がわかったところで、改めてミスジがどのようなお肉なのか、その魅力に迫ってみましょう。独特の食感と味わいが、多くの食通を虜にしています。

肩甲骨の内側にある希少な部位

ミスジは、牛の肩甲骨の内側にくっついている部位です。 肩からウデにかけての肉は、牛がよく動かす部分なので全体的には筋肉質で硬めですが、ミスジは肩甲骨の内側にあるため、あまり動かされません。

そのため、ウデ肉の中では最も霜降りが多く入る部位として知られ、非常に柔らかい肉質を持っています。 牛一頭(約400〜600kg)からわずか2〜3kgしか取れない、大変希少な部位です。

赤身の旨味と霜降りのバランスが絶妙

ミスジの最大の魅力は、赤身のしっかりとした旨味と、きめ細かな霜降りの甘みやコクが見事に調和している点です。

霜降りがたくさん入っていますが、ロースなどに比べると脂がしつこくなく、後味はあっさりしています。 口に入れると、融点が低い脂がとろけ出し、肉本来の濃厚な味わいがジュワーっと広がります。 この「さっぱりしているのに濃厚」という絶妙なバランスが、ミスジならではの美味しさの秘密です。

独特の食感と風味の秘密「真ん中のスジ」

ミスジの中央には一本、太いスジが通っています。 ステーキ用など厚切りの場合、このスジは硬くて食べにくいことがあるため、通常は取り除かれたり、スジに沿って切り分けられたりします。

しかし、薄切りにして焼肉やすき焼きで食べる場合、このスジが加熱されることでゼラチン質に変化し、プルっとした独特の食感を生み出します。 この食感が好きだというファンも少なくありません。和牛の場合、このスジは焼くことでほとんど気にならなくなることもあります。 この中央のスジこそが、ミスジの味わいに深みと個性を与えているのです。

美味しいミスジの選び方と保存方法

せっかくミスジを食べるなら、できるだけ美味しいものを選びたいですよね。ここでは、スーパーや精肉店で美味しいミスジを見分けるためのポイントと、鮮度を保つための正しい保存方法をご紹介します。

鮮やかな赤色とサシの入り方をチェック

美味しいミスジを選ぶための最初のポイントは、肉の色です。
鮮やかでツヤのある赤色(ルビーレッド)をしているものを選びましょう。 黒ずんでいたり、色がくすんでいたりするものは鮮度が落ちている可能性があるので避けたほうが無難です。

次にサシ(霜降り)の状態を確認します。
和牛のミスジは、中央のスジから葉脈のように美しくサシが入っているのが特徴です。 このサシが細かく均等に入っているものほど、口どけが良く柔らかい傾向にあります。 脂の部分は、光沢のあるきれいな白色のものを選びましょう。

ドリップが出ていないか確認しよう

パックの底に赤い液体(ドリップ)が溜まっていないかも重要なチェックポイントです。ドリップは、肉の旨味成分や水分が流れ出てしまったもので、ドリップが多いほど味が落ち、パサついた食感になりがちです。

パックを少し傾けてみて、ドリップが出ていないか、また肉の表面が乾いていないかを確認しましょう。肉の旨味を存分に味わうためには、ドリップが少ないものを選ぶことが大切です。

正しい冷蔵・冷凍保存のコツ

購入したミスジを美味しく食べるためには、適切な保存が欠かせません。

冷蔵保存の場合:
すぐに食べる場合は、パックのままチルド室やパーシャル室で保存します。もしパックから出す場合は、キッチンペーパーで表面の水分を軽く拭き取り、空気に触れないように一枚ずつラップでぴったりと包み、保存袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。
冷凍保存の場合:
長期間保存したい場合は、冷凍がおすすめです。 冷蔵保存と同様に、一枚ずつラップで包み、さらにアルミホイルで包むか、冷凍用の保存袋に入れて空気をしっかり抜いてから冷凍します。 こうすることで、冷凍焼けや品質の劣化を防ぐことができます。

解凍する際は、冷蔵庫でゆっくり時間をかけて解凍するのが、旨味を逃さないためのポイントです。

ミスジの魅力を最大限に引き出す!おすすめの食べ方

赤身と霜降りの絶妙なバランスが魅力のミスジは、様々な調理法でその美味しさを楽しむことができます。ここでは、ミスジの魅力を最大限に引き出すためのおすすめの食べ方と、調理のコツをご紹介します。

定番の焼肉!焼き方のコツ

ミスジの美味しさをダイレクトに味わうなら、やはり焼肉が一番です。

ポイントは「焼きすぎない」こと。 ミスジは水分量が比較的少ない部位なので、火を通しすぎるとせっかくの脂が落ちてしまい、硬くパサついた食感になってしまいます。

美味しい焼き方の手順:

  1. 片面を強めの火でさっと焼き、肉の表面に肉汁がうっすらと浮かんできたら裏返します。
  2. もう片面は軽く炙る程度でOKです。
  3. ミディアムレアくらいが、ミスジの柔らかさとジューシーさを最も楽しめる焼き加減です。

味付けは、肉本来の味を楽しむために塩とわさびがおすすめです。 もちろん、醤油ベースのタレとの相性も抜群です。

贅沢なステーキ!火加減がポイント

少し厚めにカットされたミスジが手に入ったら、ステーキで贅沢に味わうのもおすすめです。

美味しい焼き方の手順:

  1. 焼く30分〜1時間前には冷蔵庫から出し、肉を常温に戻しておきます。 これにより、均一に火が通りやすくなります。
  2. フライパンをよく熱し、牛脂または油をひきます。
  3. 最初は強火で両面に焼き色をつけ、肉の旨味を閉じ込めます。
  4. その後は弱火にして、好みの焼き加減までじっくりと火を通します。
  5. 焼きあがったら、アルミホイルに包んで数分休ませましょう。 肉汁が全体に行き渡り、よりジューシーに仕上がります。

ソースはシンプルな醤油ベースや、にんにく醤油、わさび醤油がミスジの風味を引き立ててくれます。

薄切りで楽しむローストビーフやすき焼き

ミスジは薄切りにしても、その美味しさを存分に発揮します。

  • ローストビーフ:赤身の旨味が強いミスジはローストビーフにも最適です。火を通しすぎず、中心がきれいなピンク色になるように仕上げるのがポイントです。
  • すき焼き・しゃぶしゃぶ:薄切りのミスジは、鍋料理にもぴったりです。 さっと火を通すことで、とろけるような食感と脂の甘み、そして赤身の旨味を一度に楽しむことができます。 加熱することで中央のスジがプルっとした食感に変わるのも、すき焼きやしゃぶしゃぶならではの楽しみ方です。

まとめ:ミスジが安い理由を知って、もっと美味しく楽しもう!

今回は、希少部位「ミスジ」がなぜ安く手に入ることがあるのか、その理由について詳しく解説しました。

ミスジが比較的安い理由は、知名度の低さ、処理の手間、流通のされ方、そして安価な輸入品の存在などが複合的に関係しています。 決して「美味しくないから安い」というわけではなく、むしろその価格以上の価値を持つ、非常に魅力的な部位であることがお分かりいただけたかと思います。

牛の種類やランク、処理の仕方によって価格は変わりますが、それぞれの特徴を理解すれば、ご自身の好みや用途に合わせて最適なミスジを選ぶことができます。選び方のポイントやおすすめの食べ方を参考に、ぜひ食卓でミスジの絶妙な味わいを堪能してみてください。安い理由を知ることで、これからはもっと賢く、もっと自信を持ってミスジを選べるようになるはずです。

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