特別な日のごちそうや自分へのご褒美に、焼肉を選ぶ方は多いのではないでしょうか。せっかくなら、普段はなかなか味わえない高級部位に挑戦して、贅沢なひとときを過ごしたいですよね。しかし、焼肉店に行くと「シャトーブリアン」「ミスジ」「ザブトン」など、様々な高級部位の名前が並び、どれを選べば良いか迷ってしまうこともあるでしょう。
この記事では、そんなあなたのために、焼肉の高級部位をランキング形式で詳しくご紹介します。 それぞれの部位が持つ特徴や、味わいを最大限に引き出す美味しい食べ方まで、わかりやすく解説していきます。この記事を読めば、あなたもきっとお気に入りの高級部位が見つかり、次回の焼肉がさらに楽しみになるはずです。
焼肉の高級部位ランキングTOP5!一度は食べたい極上の味
焼肉の数ある部位の中でも、特に人気と価格が高い「高級部位」。ここでは、味、柔らかさ、希少性などを総合的に判断し、一度は味わっていただきたい極上の部位をランキング形式でご紹介します。それぞれの特徴を知って、自分好みの最高の一枚を見つけてみてください。
1位:シャトーブリアン
その最大の特徴は、驚くほどきめ細かく、とろけるような柔らかさにあります。 ほとんど運動しない筋肉のため、繊維が非常に細かく、箸で切れてしまうほどの柔らかさを誇ります。 赤身でありながら、上品なサシ(脂肪)がバランス良く入っており、脂のしつこさは全く感じられません。口に入れた瞬間に広がる、赤身肉本来の濃厚な旨味と上品な甘みは、まさに至福の味わいです。
牛1頭からわずか600g〜800g程度しか取れないという圧倒的な希少性も、シャトーブリアンの価値を高めている大きな理由です。 その希少さから「幻の部位」とも呼ばれています。 この名前は、19世紀初頭のフランスの美食家、フランソワ・ルネ・ド・シャトーブリアン子爵がこの部位ばかりを好んで食べていたことに由来すると言われています。 焼肉でいただく際は、厚切りにして表面をさっと焼き、中はレア気味で味わうのがおすすめです。 シンプルに塩やわさびで、肉本来の繊細な味を堪能するのが最高の贅沢と言えるでしょう。
2位:ザブトン
ランキング2位は、美しい霜降りが特徴の「ザブトン」です。肩ロースの一部で、あばら骨の近くに位置する部位です。 座布団のような四角い形をしていることから、このユニークな名前が付きました。 「ハネシタ」と呼ばれることもあります。
ザブトンの魅力は、なんといっても口の中ですっと溶けるような、とろける食感と脂の甘みです。 肩ロースの中でも特にサシが細かく、びっしりと入っているため、見た目の美しさは芸術的です。 焼くことでその上質な脂が溶け出し、肉全体をコーティングしてジューシーな味わいを生み出します。 脂の甘みが強いながらも、後味は決してしつこくなく、赤身の持つコクと旨味もしっかりと感じられるのが特徴です。
牛一頭から約3〜4kgしか取れない希少な部位であり、焼肉好きの間では非常に高い人気を誇ります。 焼き方としては、その上質な脂を活かすため、焼きすぎないことが重要です。 強火で表面をさっと炙り、香ばしい焼き目を付けたら、中はレアな状態でいただくのがおすすめです。 濃厚な味わいなので、タレとの相性も抜群ですが、まずは塩やわさびで脂の甘みをダイレクトに感じてみるのも良いでしょう。
3位:ミスジ
続いて3位にランクインしたのは、独特な形と食感が魅力の「ミスジ」です。肩甲骨の内側に位置する部位で、あまり動かさない部分のため非常に柔らかいのが特徴です。 赤身肉の中に大きな3本の筋が入っていることから「ミスジ」と呼ばれています。
ミスジの最大の魅力は、さっぱりとした脂と赤身の濃厚な旨味の絶妙なバランスです。 中心にある筋は一見硬そうに見えますが、焼くとゼラチン質に変わり、独特の食感を生み出します。霜降りの甘みと、赤身肉が持つしっかりとした味わいの両方を一度に楽しむことができる、非常に味わい深い部位です。 ザブトンが脂の甘みを前面に押し出した味わいであるのに対し、ミスジは赤身のコクと旨味をより強く感じられます。
牛一頭からわずか2〜3kgしか取れない大変希少な部位で、焼肉店では「特上カルビ」として提供されることもあります。 焼き方のポイントは、火を通しすぎないことです。 焼きすぎてしまうと、せっかくの柔らかさが失われ、パサついてしまう可能性があります。 表面を軽く炙る程度で、肉のジューシーさを保ったままいただくのがおすすめです。さっぱりとした味わいは、ポン酢や大根おろしと一緒に食べても美味しくいただけます。
4位:サーロイン
「ステーキの王様」として名高い「サーロイン」ですが、焼肉で食べてもその美味しさは格別です。牛の腰の上部に位置する部位で、きめ細かい肉質と美しい霜降りが特徴です。 その名前は、昔のイギリス国王があまりの美味しさに「サー(Sir)」の称号を与えたという逸話に由来するとも言われています。
サーロインの魅力は、肉の旨味、脂の甘み、そして香りの全てが完璧なバランスで調和している点にあります。口に入れると、上質な脂がじゅわっと溶け出し、濃厚な旨味と甘みが一気に広がります。適度な歯ごたえもありながら、基本的には非常に柔らかく、肉を食べている満足感を存分に味わうことができます。
焼肉でサーロインを食べる際は、少し厚めにカットされたものを選ぶのがおすすめです。焼き加減はミディアムレアが最適で、肉汁を中に閉じ込めるように表面をカリッと焼き上げます。 脂の旨味がしっかりしているため、タレも良いですが、岩塩や黒胡椒、ガーリックチップなど、シンプルな味付けで肉本来のポテンシャルを引き出してあげるのがおすすめです。特別な日に、贅沢な焼肉を楽しみたいときにぴったりの部位と言えるでしょう。
5位:イチボ
ランキング5位は、赤身の旨味と脂の甘みの両方を兼ね備えた「イチボ」です。牛のお尻の先にある部位で、もも肉の一種です。 牛がよく動かすお尻の筋肉であるため、しっかりとした肉質をしていますが、その中でも特に柔らかい部分です。
イチボの魅力は、赤身肉のしっかりとした旨味と、程よく乗った脂のジューシーさのバランスにあります。 もも肉ならではの肉々しい味わいと、霜降りの甘みの「良いとこ取り」ができる部位と言えるでしょう。脂は比較的あっさりしているので、濃厚な霜降り肉が少し苦手という方でも美味しく食べられます。 噛むほどに赤身の旨味が溢れ出し、後から脂の甘みが追いかけてくるような、奥深い味わいが楽しめます。
一頭から取れる量も限られているため、希少部位として扱われます。焼き方としては、赤身の旨味を活かすために、焼きすぎないことが大切です。表面に焼き色を付けたら、中は少し赤みが残るくらいで引き上げるのがベスト。しっかりとした味わいがあるので、甘めのタレやニンニク醤油など、少し濃いめの味付けとも相性抜群です。肉本来の味を楽しみたい場合は、塩胡椒だけでも十分に満足できるでしょう。
まだある!知る人ぞ知る希少な高級部位

ランキングでご紹介した以外にも、焼肉店で出会えたらぜひ試していただきたい、知る人ぞ知る希少な高級部位が存在します。それぞれに個性的な魅力があり、焼肉の楽しみをさらに広げてくれるはずです。ここでは、特におすすめの4つの部位をピックアップしてご紹介します。
トモサンカク
「トモサンカク」は、牛の後ろ足の付け根、もも肉の一部にあたる「シンタマ」と呼ばれる部位から取れるお肉です。 三角形の形をしていることからこの名前が付きました。 関西では、その形が火打ち石に似ていることから「ヒウチ」とも呼ばれます。
この部位の最大の特徴は、もも肉に分類される赤身でありながら、非常に美しい霜降りが入っている点です。 そのため、赤身肉のしっかりとした旨味と、霜降りならではの濃厚なコクと甘みの両方を贅沢に味わうことができます。 脂の融点が低く、口に入れるととろけるような食感が楽しめますが、バラ肉の脂ほどしつこくないため、意外にもあっさりと食べられるのが魅力です。 まさに赤身と霜降りの良い部分を凝縮したような味わいで、焼肉通からの人気も非常に高い部位です。牛一頭から2〜3kgほどしか取れない、大変希少な部位でもあります。 焼きすぎると硬くなってしまうため、さっと炙る程度で、そのとろけるような食感を存分にお楽しみください。
カイノミ
「カイノミ」は、牛のわき腹あたりに位置するバラ肉の一部です。 ヒレ肉のすぐ隣にある、非常に希少な部位です。 貝のような形をしていることから、その名が付きました。
カイノミの魅力は、赤身と脂身のバランスが絶妙で、非常に柔らかい食感にあります。 バラ肉の一部でありながら脂はしつこくなく、上品な甘みと赤身の濃厚な旨味が口の中に広がります。 ヒレ肉の柔らかさと、バラ肉のジューシーさを兼ね備えていると表現されることも多く、その食べやすさから幅広い層に人気があります。
牛一頭からわずか1kg程度しか取れないため、焼肉店でもメニューにあればラッキーと言えるほどの希少部位です。 厚切りにしても柔らかく、ジューシーさを堪能できるため、ステーキのように焼いて楽しむのもおすすめです。 シンプルに塩コショウやわさび醤油でいただくと、カイノミ本来の上質な旨味をより一層感じることができるでしょう。
シンシン
「シンシン」は、牛の後ろ足の付け根、内ももの下側にある「シンタマ」という部位の中心部分を指します。 シンタマの芯の部分であることから、「シンシン」と呼ばれています。
この部位の特徴は、きめが細かく、非常に柔らかい赤身肉であることです。脂肪が少なく、あっさりとしていながらも、肉の旨味は非常に濃厚です。もも肉の中でも特に柔らかい部位で、サシも適度に入っているため、パサつくことなくしっとりとした食感を楽しむことができます。クセがなく、上品な味わいなので、しつこい脂が苦手な方や、赤身肉本来の味をじっくりと楽しみたい方に特におすすめです。
シンタマ自体が一頭から少量しか取れないため、その中心部であるシンシンはさらに希少となります。薄切りにしてさっと炙るように焼くと、その柔らかさと上品な旨味を最大限に引き出すことができます。ポン酢や刻みネギと一緒にさっぱりといただくのも美味しい食べ方の一つです。
ランプ
「ランプ」は、牛の腰からお尻にかけての部位で、サーロインの後ろに位置します。 この部位は、赤身肉の代表格とも言える存在で、肉好きからの支持が厚いのが特徴です。
ランプの魅力は、脂が少なくあっさりとしていながらも、肉の味が非常に濃厚である点です。 肉質はきめ細かく、赤身の中でも特に柔らかい部分とされています。 噛みしめるほどに、赤身肉が持つ本来の力強い旨味が口いっぱいに広がり、しっかりとした食べ応えを感じることができます。最近の赤身肉ブームもあり、人気が高まっている部位の一つです。
一頭から取れる量は5〜6kgほどですが、その中でも特に柔らかい中心部分は少量のため、高級部位として扱われます。 ランプの濃厚な旨味を堪能するには、厚切りにしてステーキのように焼くのがおすすめです。 焼き加減はミディアムレアで、肉汁を逃さないように焼き上げることがポイントです。ガーリックバター醤油や、玉ねぎを使ったソースなど、少しパンチのある味付けとも非常によく合います。
高級部位はなぜ高い?その理由を解説

焼肉店でメニューを見ると、カルビやロースといった定番の部位に比べて、シャトーブリアンやミスジなどの高級部位は、時に数倍の価格が設定されていることがあります。「なぜこんなに値段が違うのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。その価格には、しっかりとした理由があります。
一頭から取れる量が非常に少ない「希少性」
高級部位が高価である最大の理由は、その希少性にあります。
| 部位 | 牛1頭から取れる量の目安 |
|---|---|
| シャトーブリアン | 約600g〜800g |
| カイノミ | 約1kg |
| ミスジ | 約2〜3kg |
| ザブトン | 約3〜4kg |
このように、一頭の牛からほんのわずかしか取れない部位は、その希少価値からどうしても価格が高くなります。 焼肉店としても仕入れるのが難しく、限られた量しか提供できないため、高価にならざるを得ないのです。
霜降りの美しさととろけるような「味わい」
価格を決めるもう一つの大きな要素は、もちろんその味わいです。高級部位の多くは、「サシ」と呼ばれる脂肪が筋肉の間にきめ細かく入った「霜降り」が特徴です。 このサシが、肉の柔らかさやジューシーさ、そして豊かな風味を生み出します。
特に、ザブトンやミスジに見られるような美しい霜降りは、見た目にも食欲をそそります。 この上質な脂肪は融点が低く、口に入れた瞬間にすっと溶け出し、濃厚な甘みとコクとなって広がります。 また、シャトーブリアンのように、サシは控えめでも筋繊維が非常に細かく、驚くほど柔らかい食感を持つ部位もあります。 このような他の部位では決して味わうことのできない、格別な美味しさや食感が、高い価格に見合う価値として認められているのです。
部位ごとの独特な「食感」
高級部位は、それぞれが持つ独特の食感も魅力の一つです。例えば、シャトーブリアンは箸で切れるほどの柔らかさ、ザブトンは口の中でとろけるような感覚、ミスジはゼラチン質の筋がもたらす独特の歯ごたえなど、部位ごとに全く異なる食感を楽しむことができます。
これらの食感は、その筋肉が牛の体のどの部分にあり、どれだけ運動していたかによって決まります。あまり動かさない筋肉は筋繊維が細く柔らかくなり、シャトーブリアンやヒレのような部位になります。 一方で、適度に動かす部位には、イチボやランプのようにしっかりとした肉の旨味が凝縮されます。 このように、部位ごとに異なる個性的な食感は、多くの食通を魅了し、その価値を高める要因となっています。 焼肉は、こうした様々な部位の味や食感の違いを食べ比べるのも大きな楽しみの一つと言えるでしょう。
高級部位を最大限に楽しむ!美味しい焼き方のコツ
せっかくの高級部位を注文したなら、最高の状態で味わいたいものです。高級部位の繊細な美味しさを最大限に引き出すためには、焼き方にも少しだけこだわりたいところ。ここでは、誰でも実践できる美味しい焼き方の基本的なコツをご紹介します。
焼きすぎはNG!ミディアムレアが基本
高級部位の多くは、きめ細かいサシが入っていたり、肉質が非常に柔らかかったりするのが特徴です。 これらの部位の魅力を存分に味わうための基本は「焼きすぎない」こと。 焼きすぎてしまうと、せっかくの上質な脂が溶け落ちてしまい、肉が硬くなったりパサついたりする原因になります。
理想的な焼き加減はミディアムレアです。 表面は香ばしく焼き上げつつ、中心部は美しいピンク色が残る状態を目指しましょう。肉の表面に肉汁がじわっと浮き出てきたら、ひっくり返すサインです。 ひっくり返した後は、長時間焼かずにさっと火を通す程度で十分です。特にシャトーブリアンやミスジのような繊細な部位は、火を通しすぎないように細心の注意を払いましょう。
何度もひっくり返さないのが鉄則
美味しい焼肉のコツは、お肉を何度もひっくり返さないことです。 網の上で何度も肉を動かしてしまうと、肉の温度が安定せず、均一に火が通りにくくなります。また、肉汁が外に逃げ出しやすくなり、ジューシーさが失われる原因にもなります。
ひっくり返すタイミングは、肉のフチの色が変わり、表面に汗をかくように肉汁が浮き出てきたときです。 このタイミングで裏返せば、旨味をぎゅっと閉じ込めたまま、美味しく焼き上げることができます。高級部位を焼く際は、一枚一枚に集中して、最高のタイミングを見極めましょう。
部位に合わせたタレ・薬味の選び方
高級部位を食べる際は、タレや薬味の選び方も重要です。それぞれの部位が持つ個性に合わせて使い分けることで、その美味しさをさらに引き立てることができます。
まず、サシが美しい霜降り系の部位(ザブトン、サーロインなど)は、脂の甘みとコクが特徴です。この甘みをダイレクトに味わうためには、塩やわさびがおすすめです。 シンプルな味付けが、上質な脂の旨味を際立たせてくれます。少し味を変えたい場合は、さっぱりとしたポン酢やおろしだれも良いでしょう。
一方、赤身の旨味が強い部位(シャトーブリアン、ランプ、イチボなど)は、肉本来の力強い味わいが魅力です。こちらもまずは塩で肉本来の味を確かめるのがおすすめですが、醤油ベースのタレやガーリックとの相性も抜群です。 肉の旨味がしっかりしているため、タレの風味に負けることなく、お互いの良さを高め合います。部位ごとの特徴を考えながら、色々な組み合わせを試してみるのも焼肉の醍醐味です。
まとめ:焼肉の高級部位ランキングを知って特別なひとときを

この記事では、焼肉の高級部位をランキング形式でご紹介するとともに、それぞれの部位の特徴や美味しい焼き方のコツについて詳しく解説してきました。
- 焼肉の高級部位ランキングでは、王道のシャトーブリアンから、ザブトン、ミスジ、サーロイン、イチボといった、それぞれに個性的な魅力を持つ部位がランクインしました。
- 希少な高級部位として、トモサンカク、カイノミ、シンシン、ランプなどもご紹介しました。これらは、見かけたらぜひ試していただきたい逸品です。
- 高級部位が高価な理由は、「希少性」「格別な味わい」「独特の食感」にあります。牛一頭からわずかしか取れないという価値が、その価格に反映されているのです。
- 美味しさを最大限に引き出すためには、「焼きすぎずミディアムレアで」「何度もひっくり返さない」といった焼き方の基本を守ることが大切です。
焼肉の高級部位は、決して安いものではありません。しかし、その価格に見合うだけの感動的な美味しさと、特別な体験がそこにはあります。今回の記事を参考に、それぞれの部位の違いを理解し、自分の好みの一枚を見つけてみてください。そして、次回の焼肉では、少しだけ奮発して、極上の高級部位を味わってみてはいかがでしょうか。きっと、いつも以上に贅沢で思い出深い、素晴らしい時間になるはずです。



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