「安くてヘルシーだからオージービーフを買ってみたけど、調理してみたら独特の臭いが気になってしまった…」そんな経験はありませんか?せっかくの食事が残念な気持ちになってしまうのは避けたいですよね。オージービーフの臭いは、実はいくつかの原因が重なって生まれるもの。
しかし、その原因を知り、ちょっとした下処理のコツを押さえるだけで、驚くほど美味しく食べられるようになるんです。
この記事では、オージービーフが臭いと感じる主な理由から、ご家庭で簡単にできる臭み消しのテクニック、そしてオージービーフの魅力を最大限に引き出す調理法やレシピまで、わかりやすく解説していきます。この記事を読めば、もうオージービーフの臭いに悩まされることなく、その美味しさを存分に楽しめるようになりますよ。
オージービーフが臭いと言われる主な原因

手頃な価格で人気のオージービーフですが、一部で「臭い」と感じられることがあります。その独特の風味には、主に飼育方法や肉質、そして日本に届くまでの流通過程が関係しています。ここでは、その主な原因を3つのポイントに分けて詳しく見ていきましょう。
飼育方法の違い(牧草飼育)
オージービーフの臭いの最大の原因は、その多くが「グラスフェッド(牧草飼育)」であることに関係しています。 広大な土地でのびのびと牧草を食べて育った牛のお肉は、脂肪が少なく赤身が中心になるのが特徴です。
この牧草由来の成分が、肉に独特の風味を与えます。 人によっては、この香りを「草っぽい」「土っぽい」と感じ、これが臭みの原因と認識されることがあります。 特に、日本の和牛の多くがトウモロコシなどの穀物を与えられて育つ「グレインフェッド(穀物飼育)」であるため、その甘くマイルドな香りに慣れていると、グラスフェッド特有の風味を強く感じやすいのです。
| 飼育方法 | 主なエサ | 肉質の特徴 | 風味 |
|---|---|---|---|
| グラスフェッド(牧草飼育) | 牧草 | 赤身が多く、脂肪が少ない | 肉本来のしっかりした風味、牧草由来の香り |
| グレインフェッド(穀物飼育) | 穀物(トウモロコシなど) | 霜降りが入りやすく、柔らかい | 甘みがあり、マイルドな香り |
赤身肉特有の鉄分
オージービーフは脂肪分が少なく赤身が多いのが特徴です。 赤身肉には、血液中のヘモグロビンなどに含まれる「鉄分」が豊富です。この鉄分が、人によっては金属のような、いわゆる「血生臭さ」として感じられることがあります。
特に、レバーなどの内臓系が苦手な方は、赤身肉の鉄分由来の風味にも敏感な傾向があるかもしれません。 和牛のようなサシ(霜降り)が多い肉は、脂肪がその風味を和らげてくれますが、赤身が中心のオージービーフは肉本来の味がダイレクトに伝わりやすいため、鉄分の風味を強く感じることがあります。
流通・保存状態で発生するドリップ
オーストラリアから日本へは、主に冷蔵または冷凍の状態で輸送されます。この輸送期間や、家庭での解凍・保存方法によっては、「ドリップ」と呼ばれる赤い液体が出てくることがあります。
特に、冷凍されたお肉を急激に解凍したり、冷蔵庫内で長時間放置したりするとドリップが出やすくなります。 このドリップを適切に処理しないまま調理してしまうと、肉本来の風味を損ない、臭みだけが際立ってしまうのです。
臭みを劇的に消す!家庭でできる下処理テクニック

オージービーフの臭みの原因がわかったところで、次はそれを解消するための具体的な下処理方法をご紹介します。どれも家庭にあるものですぐに実践できる簡単なテクニックばかりです。これらのひと手間を加えるだけで、オージービーフが驚くほど美味しくなりますよ。
基本中の基本!ドリップをしっかり拭き取る
調理を始める前に、まず行うべき最も重要なステップがドリップの拭き取りです。前述の通り、ドリップは臭みの大きな原因になります。
パックからお肉を取り出したら、キッチンペーパーで肉の表面全体を優しく押さえるようにして、ドリップを丁寧に拭き取ってください。 これだけでも、調理後の嫌な臭いをかなり軽減することができます。特に、解凍したお肉はドリップが出やすいので、念入りに行いましょう。薄切り肉やこま切れ肉の場合も、重なった部分を広げながら、しっかりと水分を取り除くことがポイントです。
牛乳やヨーグルトに漬け込む
牛乳やヨーグルトに含まれるタンパク質には、臭いの元となる成分を吸着し、分解する働きがあります。 この性質を利用して、オージービーフを調理前に漬け込んでみましょう。
やり方はとても簡単です。バットやビニール袋に牛肉を入れ、ひたひたになるくらいの牛乳またはプレーンヨーグルトを注ぎます。そのまま冷蔵庫で30分〜1時間ほど漬け込みましょう。 時間が経ったら牛肉を取り出し、表面についた牛乳やヨーグルトをキッチンペーパーで優しく拭き取ってから調理します。この方法はお肉を柔らかくする効果も期待できるため、一石二鳥のテクニックです。
玉ねぎや香味野菜を活用する
玉ねぎ、にんにく、生姜などの香味野菜は、その強い香りで牛肉の臭みをマスキング(覆い隠す)してくれるだけでなく、お肉を柔らかくする効果も持っています。
特に玉ねぎには「プロテアーゼ」というタンパク質分解酵素が含まれており、お肉の筋繊維を分解して柔らかくし、同時に臭みも和らげてくれます。 ステーキ肉などには、すりおろした玉ねぎを全体に塗りつけて30分ほど置くのがおすすめです。 煮込み料理や炒め物なら、スライスした玉ねぎやにんにく、生姜と一緒にお肉を漬け込んでおくと、調理の際に深い風味とコクが加わります。
調味料(塩麹・味噌・酒など)で下味をつける
日本の伝統的な発酵調味料も、臭み消しに大活躍します。塩麹や味噌、酒などに含まれる酵素が、お肉のタンパク質を分解し、旨味成分であるアミノ酸へと変化させます。
- 酒・ワイン: アルコールが臭み成分と一緒に揮発することで、効果的に臭いを消してくれます。 特に赤ワインは牛肉との相性が抜群です。
- 塩麹・味噌: 漬け込むことで、臭みを消すだけでなく、お肉がしっとりと柔らかくなり、豊かな風味とコクがプラスされます。
- 重曹: 料理用の重曹を水に溶かし、そこに牛肉を2〜3時間漬け込む方法もあります。 重曹にはタンパク質を分解する作用があり、肉を柔らかくすると同時に臭みを取り除きます。 使用後は軽く水で洗い流してから調理してください。
これらの下処理を調理法に合わせて使い分けることで、オージービーフのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
オージービーフの魅力を引き出す調理のコツ

適切な下処理を施したオージービーフは、調理法を少し工夫するだけで、さらにその美味しさを増します。赤身肉ならではの魅力を活かすための、調理のポイントを3つご紹介します。
加熱しすぎないのが最大のポイント
オージービーフは脂肪分が少なく、赤身が中心の肉質です。 そのため、和牛のように長時間加熱すると、肉の中の水分が飛んでしまい、硬くパサパサした食感になりがちです。 また、加熱しすぎることで、かえって臭みを感じやすくなることもあります。
ステーキや焼肉などで調理する場合は、レア〜ミディアムレアの焼き加減がおすすめです。 表面を強火でカリッと焼き付けて肉汁を閉じ込めたら、あとは火を弱めて好みの加減に仕上げましょう。焼いた後、アルミホイルに包んで数分休ませると、余熱でゆっくりと火が通り、肉汁が全体に行き渡ってジューシーに仕上がります。
香りの強いハーブやスパイスと相性抜群
オージービーフの持つ独特の風味は、ハーブやスパイスの強い香りと組み合わせることで、絶妙なハーモニーを生み出します。 臭みをマスキングするだけでなく、料理全体の風味を格段に豊かにしてくれます。
- ローズマリー、タイム: ステーキやローストビーフなど、塊肉を焼く際に一緒に加熱すると、爽やかで力強い香りがお肉に移ります。
- にんにく、黒胡椒: これらは牛肉料理の定番です。 スライスやみじん切りにしたにんにくの香ばしい香りと、粗挽き黒胡椒のピリッとした刺激が、赤身肉の旨味を引き立てます。
- クローブ、オレガノ、ナツメグ: ビーフシチューなどの煮込み料理に加えると、長時間煮込むことで生まれる臭みを抑え、本格的でスパイシーな深い味わいになります。
これらのハーブやスパイスを下味の段階で使ったり、調理中に加えたりすることで、家庭の料理がワンランクアップしますよ。
煮込み料理で旨味を最大限に引き出す
硬めの部位や、スジが多い部位のオージービーフは、煮込み料理に活用するのが最適です。 じっくりと時間をかけて煮込むことで、硬い筋繊維がコラーゲンへと変化し、トロトロの柔らかい食感になります。
ビーフシチューやカレー、赤ワイン煮込みなどは、オージービーフの得意分野です。 赤身肉から溶け出す濃厚な旨味が、ソースやスープに深いコクを与えてくれます。調理の際には、最初に肉の表面をしっかりと焼き付けて旨味を閉じ込めるのがポイントです。その後、香味野菜やハーブ、赤ワインなどと一緒に長時間煮込むことで、臭みは旨味へと昇華し、格別の美味しさを楽しむことができます。
部位別!おすすめの美味しい食べ方とレシピ

オージービーフと一括りに言っても、部位によって硬さや味わいは様々です。それぞれの部位の特性を理解し、それに合った調理法を選ぶことが、美味しく食べるための近道です。ここでは代表的な部位ごとにおすすめの食べ方と簡単レシピのアイデアをご紹介します。
ステーキ用(サーロイン・リブロース・ヒレ)
サーロインやリブロース、ヒレといった部位は、比較的柔らかく、ステーキに最適です。 オージービーフの赤身本来の力強い味わいをダイレクトに楽しめます。
- 焼き方のコツ: 調理の30分ほど前に冷蔵庫から出し、常温に戻しておくのが重要です。 これにより、均一に火が通りやすくなります。塩胡椒で下味をつけ、熱したフライパンで表面をカリッと焼き付けます。焼き加減は、硬くなりすぎないミディアムレアがおすすめです。
- おすすめレシピ「ガーリック醤油ステーキ」: 焼いたステーキを取り出した後のフライパンに、醤油、みりん、酒、すりおろしにんにくを入れて煮詰めるだけで、ご飯が進む絶品ソースが完成します。 焼き始める際にスライスしたにんにくを炒めてガーリックチップを作るのも良いでしょう。
煮込み用(バラ・すね・肩ロース)
バラ肉やすね肉、肩ロースといった部位は、筋や結合組織が多く、やや硬めですが、その分濃厚な旨味を持っています。 そのため、じっくり時間をかけて煮込む料理に最適です。
- 調理のポイント: まずは大きめの角切りにし、フライパンで表面にしっかりと焼き色をつけます。これにより、旨味を肉の中に閉じ込めます。その後、赤ワインやトマト缶、香味野菜などと一緒に、肉がホロホロになるまで弱火で煮込みます。圧力鍋を使えば、調理時間を大幅に短縮できます。
- おすすめレシピ「本格ビーフシチュー」: 焼いた牛肉を、炒めた玉ねぎ、人参、セロリと一緒に鍋に入れ、赤ワイン、デミグラスソース、ブーケガルニ(ハーブの束)などを加えて、最低でも1〜2時間は煮込みます。 溶けるように柔らかくなったお肉は、格別の美味しさです。
薄切り・こま切れ肉
薄切り肉やこま切れ肉は、火の通りが早く、様々な料理に手軽に使える万能選手です。炒め物や牛丼、ハヤシライスなど、日々の食卓で大活躍します。
- 調理のポイント: 加熱しすぎると硬くなりがちなので、強火でさっと火を通すのがコツです。炒め物などでは、野菜とは別に先に肉だけを炒めて一度取り出し、最後にさっと混ぜ合わせると、柔らかい食感を保てます。
- おすすめレシピ「絶品牛丼」: 玉ねぎを醤油、砂糖、みりん、だし汁で煮て、しんなりしたら牛肉を加えます。肉の色が変わったら火を止め、余熱で味を染み込ませるのが柔らかく仕上げるポイントです。紅生姜や卵を添えれば、お店に負けない一杯が完成します。
よくある質問(Q&A)

ここでは、オージービーフの臭いに関して、多くの方が抱く疑問についてお答えします。より深く理解することで、安心してオージービーフを選び、調理できるようになります。
和牛とオージービーフの根本的な違いは?
和牛とオージービーフの最も大きな違いは、牛の品種、飼育方法、そしてそれによって生まれる肉質にあります。
一方、オージービーフはオーストラリアで育てられた牛の総称で、様々な品種が含まれます。 その多くは広大な牧草地で放牧される「グラスフェッド(牧草飼育)」で、脂肪が少なく赤身が多いヘルシーな肉質が特徴です。 肉本来のしっかりとした歯ごたえと風味を楽しめます。
腐っている臭いとの見分け方は?
調理前の牛肉から不快な臭いがした場合、それが特有の風味なのか、それとも腐敗によるものなのかを見分けることは非常に重要です。
- オージービーフ特有の臭い: 牧草由来の少し青々しい香りや、鉄分を感じるような風味が特徴です。
- 腐敗による臭い: 明らかに酸っぱい臭いや、アンモニア臭、物が腐ったような刺激臭がします。色も茶色や緑がかった部分が見られたり、表面にヌメリや糸引きがあったりする場合は、食べるのは絶対に避けてください。
賞味期限内であっても、保存状態が悪ければ傷んでしまうことがあります。 少しでも「おかしいな」と感じたら、無理に食べずに処分する勇気を持ちましょう。
「グレインフェッド」のオージービーフは臭いが少ない?
はい、その傾向があります。オージービーフの中にも、出荷前の一定期間、穀物を与えて育てる「グレインフェッド(穀物肥育)」の牛肉が存在します。
グレインフェッドビーフは、牧草だけで育ったグラスフェッドビーフに比べて、適度に脂肪がつき、肉質が柔らかくなるのが特徴です。 また、穀物由来の甘みが加わることで、グラスフェッド特有の牧草の香りが和らぎ、日本人にも馴染みやすいマイルドな風味になります。 もしグラスフェッドの風味がどうしても苦手だという方は、パッケージの表示などを確認して「グレインフェッド」や「穀物肥育」と書かれたオージービーフを選んでみるのがおすすめです。
オーストラリア産牛肉には、穀物肥育の期間によって「ショートグレイン」「ミドルグレイン」「ロンググレイン」といった格付けがあり、期間が長いほど霜降りが増え、柔らかく良質とされています。
まとめ:オージービーフの臭いを理解して美味しく楽しもう!

今回は、オージービーフが臭いと感じられる原因から、その臭みを消すための具体的な下処理方法、そして美味しさを最大限に引き出す調理のコツまで詳しく解説しました。
オージービーフの独特の風味は、主に牧草で育つという飼育環境に由来するものです。この特徴を「臭い」と捉えるか、「肉本来の風味」として楽しむかは、食べ方次第で大きく変わります。ドリップをしっかり拭き取る、牛乳や香味野菜に漬け込むといった簡単な下処理を加えるだけで、その味わいは劇的に向上します。
また、加熱しすぎずにレア気味に仕上げたり、ハーブやスパイスを効かせたり、じっくり煮込んで旨味を引き出したりと、調理法を工夫することで、赤身肉ならではの魅力を存分に味わうことができます。ヘルシーで経済的なオージービーフ、その特性を正しく理解し、ひと手間加えることで、日々の食卓を豊かにしてくれる素晴らしい食材になります。ぜひ、今回の記事を参考にして、美味しいオージービーフ料理に挑戦してみてください。



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