焼肉店やお肉屋さんで「A5ランクの和牛」という言葉をよく耳にしますが、その評価に大きく関わっている「BMS」という指標をご存知でしょうか。BMSは牛肉の霜降りの度合いを示す基準であり、私たちが口にするお肉の柔らかさやとろけるような食感を左右する非常に重要な数値です。
せっかく美味しい焼肉を食べるなら、メニューに書かれた情報の意味を正しく理解して、自分好みの最高の一皿を選びたいものですよね。この記事では、牛肉の格付けに欠かせないBMSの基礎知識から、等級が決まる仕組み、そして本当に美味しいお肉の選び方までを、初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説します。
BMSの意味を知ることで、これからの焼肉選びがもっと楽しく、より深いものになるはずです。霜降りの美しさだけではない、牛肉の奥深い世界を一緒に覗いてみましょう。
BMSとは何か?牛肉の「霜降り」を評価する世界基準
BMS(ビー・エム・エス)とは、正式名称を「Beef Marbling Standard」といい、日本語では「牛脂肪交雑基準」と呼ばれます。簡単に言えば、お肉の中にどれだけ細かく「サシ(霜降り)」が入っているかを評価するための基準です。焼肉の醍醐味である、あのとろけるような食感を数値化したものだと考えて間違いありません。
この数値は、日本食肉格付協会という公的な機関によって厳格に判定されています。判定の対象となるのは、主に「サーロイン」や「リブロース」といった、霜降りが入りやすい部位の断面です。ここでどれだけ美しく脂が分散しているかが、その牛肉の価値を大きく左右することになります。
BMSの数値が高ければ高いほど、脂が細かく網目状に入っており、口の中でとろけるような食感を楽しむことができます。一方で、数値が低いものは赤身が強く、肉本来の噛み応えや旨味をしっかりと感じられるのが特徴です。まずは、このBMSが「脂の入り具合を示す指標」であることを押さえておきましょう。
BMSの具体的な12段階評価の仕組み
BMSは、1から12までの12段階で評価されます。数字が大きくなるほど、霜降りの量が多く、きめ細かいことを示しています。この12段階の評価は、お肉の「等級」を決定する上での最も重要な要素の一つとなっています。
一般的にスーパーなどで見かける国産牛はBMS3前後が多いですが、高級焼肉店で提供される「A5ランク」の牛肉になると、BMS8以上という非常に高い基準をクリアしたものばかりです。最高ランクのBMS12ともなると、肉全体が真っ白に見えるほど芸術的なサシが入っています。
格付員と呼ばれるプロの専門家が、標準模型(BMSナンバーごとのサンプル写真)と照らし合わせながら一頭一頭を厳しくチェックします。この客観的な基準があるからこそ、私たちは全国どこでも安定した品質の牛肉を味わうことができるのです。
なぜBMSが牛肉の美味しさの指標になるのか
BMSが重要視される最大の理由は、霜降りがお肉の「柔らかさ」と「風味」に直結するからです。牛肉の脂身には、加熱することで溶け出し、周囲の筋肉を柔らかく解きほぐす性質があります。BMSが高いお肉は、加熱した際に脂が網目状に溶け、驚くほど滑らかな舌触りを生み出します。
また、和牛特有の「和牛香」と呼ばれる甘く芳醇な香りは、主に脂身の中に含まれています。BMSが高いお肉を焼いた時に立ち上るあの食欲をそそる香りは、霜降りが豊富だからこそ感じられる贅沢な要素です。脂の旨味と肉の香りが調和することで、最高級の食体験が可能になります。
ただし、BMSが高いからといって、すべての人にとって「一番美味しい」とは限りません。脂の甘みを重視するなら高BMS、お肉らしい力強さを求めるなら適度なBMSといったように、好みに合わせて選ぶための便利な「ものさし」として活用するのが正解です。
霜降り(サシ)がもたらす口どけの正体
口に入れた瞬間に「溶ける」と感じる感覚は、科学的にも裏付けられています。BMSが高い牛肉の脂は、人間の体温に近い温度で溶け始めるという特徴があります。これにより、噛む必要がないほどスムーズに喉を通り、豊かな風味が口いっぱいに広がるのです。
この口どけの良さを生み出すには、単に脂の量が多いだけでは不十分です。脂の粒子が細かく、赤身の繊維の間にバランスよく入り込んでいる状態こそが、最高品質の霜降りと言えます。BMSの評価では、この「細かさ」や「分散具合」もしっかりとチェックされています。
焼肉において、強火でサッと炙った時に表面の脂が浮き出し、内側に肉汁を閉じ込めることができるのも、BMSが高いお肉の強みです。噛んだ瞬間に溢れ出す脂の甘みは、まさに高いBMS基準をクリアした牛肉ならではの特権と言えるでしょう。
牛肉の格付けが決まる仕組み!A5ランクとBMSの関係性
焼肉店でよく見る「A5ランク」という表記。実は、この「5」という数字を決定する最大の要因がBMSです。牛肉の格付けは、アルファベットの「歩留等級(ぶどまりとうきゅう)」と、数字の「肉質等級(にくしつとうきゅう)」の組み合わせで決まります。
「A」は、一頭の牛からどれだけ多くの食用肉が取れるかを示すランクで、主に生産者向けの指標です。私たちが食べる時の美味しさに直結するのは、後ろの数字である「肉質等級」の方になります。肉質等級は1から5の5段階で評価され、5が最高ランクとされています。
【肉質等級を決める4つの評価項目】
- 脂肪交雑(BMS)
- 肉の光沢
- 肉の締まり及び肉質
- 脂肪の光沢と質
これらの項目のうち、一つでも低い評価があれば、全体のランクもその低い方に合わせるという「最低値採用ルール」があります。つまり、A5ランクを名乗るためには、すべての項目で最高評価を得なければならず、その中心にあるのがBMSなのです。
アルファベット「A〜C」が表す歩留等級の意味
歩留等級は、その牛からどれだけの割合で「食べられる部分」が取れたかを示しています。Aランクは標準より良いもの、Bランクは標準的なもの、Cランクは標準より劣るものと分類されます。和牛の多くは、体格が良く効率的に肉が取れるため、Aランクに判定されることがほとんどです。
消費者の立場からすると、「Aランクだから美味しい」と思いがちですが、実はAかBかは味に直接影響するものではありません。極端な話をすれば、「B5」のお肉は「A5」のお肉と味のクオリティにおいては同等である可能性が高いのです。
しかし、市場ではやはり「A5」という響きが最もブランド力を持つため、最高級肉の代名詞として定着しています。A5ランクという言葉は、その牛が体格にも恵まれ、かつ肉質も最高峰であったという「エリートの証」だと捉えると分かりやすいでしょう。
数字「1〜5」を決めるBMSの対応表
肉質等級の数字(1〜5)は、BMSの数値によって明確に区分けされています。BMSが12段階あるのに対し、肉質等級が5段階であるため、以下のような対応関係になっています。
| 肉質等級 | 対応するBMS値 |
|---|---|
| 5(最高) | No.8 〜 No.12 |
| 4 | No.5 〜 No.7 |
| 3 | No.3 〜 No.4 |
| 2 | No.2 |
| 1 | No.1 |
この表から分かる通り、BMSが8以上であればすべて「等級5」となります。しかし、同じ等級5の中にも、BMS8のものからBMS12のものまで幅があることが分かります。これが、同じA5ランクの焼肉でもお店によって見た目や価格が異なる理由の一つです。
焼肉上級者になると、単に「A5ランク」という言葉だけで判断せず、「今日の肉のBMSはいくつか?」という点まで意識するようになります。BMSの数値まで公開しているこだわりの焼肉店は、品質に対する自信の表れとも言えるでしょう。
A5ランクの中でもBMS値によって差が出る理由
同じ「A5」と表示されていても、BMS8とBMS12では、霜降りの密度にかなりの差があります。BMS12は、数千頭に一頭出るか出ないかと言われるほどの希少価値があり、セリ(卸売市場)での価格も跳ね上がります。見た目の美しさも芸術品レベルです。
一方で、BMSが高ければ高いほど良いというわけでもありません。脂が多すぎると、たくさんは食べられなかったり、胃もたれの原因になったりすることもあります。一般的には、BMS8〜10あたりのお肉が、赤身の旨味と脂の甘みのバランスが最も優れていると感じる人が多いようです。
このように、A5ランクという一言の中には、多様なBMSのバリエーションが隠されています。自分が求めるのは「とろける究極の霜降り」なのか、それとも「バランスの取れた最高級肉」なのかによって、選ぶべきBMSのニュアンスは変わってきます。
BMS12段階評価の具体的な基準と味わいの特徴
BMSの数値が異なると、実際に食べた時の印象はどう変わるのでしょうか。BMS1から12までの世界を大きく3つのグループに分けて、それぞれの味わいの特徴を解説します。これを理解しておけば、焼肉店でメニューを選ぶ際の強力なヒントになります。
数値が低いからといって「美味しくない肉」というわけではありません。現代では健康志向の高まりから、あえてBMSが低めの赤身肉を好む方も増えています。それぞれの数値が持つ個性を知ることで、その日の気分や体調に合わせた最適なお肉選びができるようになります。
基本的には、数値が上がるにつれて「柔らかさ・脂の甘み・香りの強さ」が増し、数値が下がるにつれて「肉本来の味・噛み応え・さっぱり感」が強くなると覚えておいてください。それでは、具体的な違いを詳しく見ていきましょう。
赤身の旨味を感じるBMS1〜2
BMS1から2の範囲は、肉質等級で言うところの「1」や「2」に該当します。このレベルのお肉には、目に見えるサシはほとんど入っておらず、全体的に真っ赤な色をしています。主に輸入牛や、和牛以外の国産牛、あるいは非常にヘルシーに育てられた経産牛(出産を経験した牛)などがここに含まれます。
味わいの特徴は、何と言っても「肉本来のダイレクトな旨味」です。脂の甘みではなく、赤身に含まれるアミノ酸の旨味をしっかりと感じることができます。食感はしっかりとした噛み応えがあり、お肉を「食べている」という満足感を強く得られるのが魅力です。
霜降りが苦手な方や、ダイエット中の方、また赤身の濃厚なソースを使った料理には、このあたりのBMSが適しています。焼肉として食べる場合は、レア気味に焼いて肉汁を逃さないようにすると、パサつかずに美味しくいただけます。
バランスの良いBMS3〜7(一般的な上質肉)
BMS3から7の範囲は、肉質等級の「3」から「4」に相当します。このゾーンは「標準的な美味しさ」から「かなり上質な霜降り肉」までが含まれる、最もボリュームの多い層です。一般的なスーパーの高級肉コーナーや、ファミリー向けの焼肉店で「上カルビ」として提供されるお肉はこのあたりが多いでしょう。
BMS3〜4(等級3)は、赤身の中に適度なサシが入っており、しつこすぎず適度な柔らかさがあります。BMS5〜7(等級4)になると、霜降りがはっきりと確認できるようになり、和牛らしい脂の甘みと赤身のバランスが非常に良くなります。多くの人にとって「一番食べやすく、美味しい」と感じられる黄金比と言えるかもしれません。
たくさんお肉を食べたい時や、お酒を飲みながらゆっくり食事を楽しみたい時には、このBMS3〜7のお肉が最適です。脂の重さを感じにくいため、最後まで飽きずに食べ進めることができます。
希少価値が高いBMS8〜12(最高級の霜降り)
BMS8から12は、いわゆる「等級5」の世界です。ここから先は、選ばれし最高級の和牛のみが到達できる領域です。見た目は淡いピンク色をしており、まるで大理石のような美しい模様が入っています。焼肉店では「特上」や「希少部位」として、高価な値段で提供されるのが一般的です。
口に入れた瞬間のインパクトは絶大で、噛む必要がないほどの柔らかさに驚かされるでしょう。脂には不飽和脂肪酸が多く含まれているため、見た目ほどしつこくなく、サラッとした脂の甘みが口の中に広がります。最高値であるBMS12ともなると、もはやお肉という概念を超えた「濃厚な旨味の塊」のような体験ができます。
このクラスのお肉を堪能する際は、わさびや塩、レモンといったシンプルな調味料で食べるのがおすすめです。脂の甘みを引き立てつつ、後味をさっぱりとさせてくれます。贅沢な記念日や、自分へのご褒美にふさわしい最高峰の品質です。
美味しい牛肉を選ぶコツ!BMS以外にも注目したいポイント
牛肉の美味しさを判断する上でBMSは非常に便利な指標ですが、実はそれだけで「味のすべて」が決まるわけではありません。格付け制度には現れない「脂の質」や「お肉の色」、さらには「鮮度」なども、私たちが感じる美味しさに大きく関わっています。
特に最近の焼肉ファンは、単に「サシが多いか少ないか」だけでなく、そのお肉が持つ独自の風味やテクスチャーを重視する傾向にあります。BMSが同じ「10」であっても、産地や飼育方法、熟成のさせ方によって味の個性は全く異なるのです。
ここでは、BMSという数字の裏側にある、本当に美味しいお肉を見極めるためのプロの視点を紹介します。これらのポイントを知っておけば、お店での注文時に「このお肉、本当に良さそうだな」という確信を持って選べるようになるでしょう。
脂の質を左右する「不飽和脂肪酸」
牛肉の美味しさ、特に「脂がしつこくないかどうか」は、脂の中に含まれる「オレイン酸」などの不飽和脂肪酸の割合で決まります。不飽和脂肪酸が多いほど、脂の融点(溶ける温度)が低くなり、口の中でサラッと溶ける良質な脂になります。これが「良いサシ」の条件です。
BMSが高くても、この融点が高いとお口の中で脂がベタついて残り、重たく感じてしまいます。逆に、不飽和脂肪酸が豊富な牛肉は、いくら霜降りが多くても後味が軽く、胃もたれしにくいという特徴があります。有名ブランド牛の多くは、この脂の質を高めるための独自の飼料や環境にこだわっています。
見た目で判断するのは難しいですが、常温で少し置いた時に脂がテカテカと溶け始めているお肉は、融点が低く良質である証拠です。焼肉店で提供されたお肉の脂が、室温で少し透明感を帯びてきたら、それは期待大の証と言えるでしょう。
肉の色沢と締まりの重要性
次に注目したいのが、赤身の部分の「色」と「締まり」です。美味しいお肉の赤身は、鮮やかな「鮮紅色(せんこうしょく)」をしています。色が濃すぎるものは肉質が硬かったり、逆に薄すぎるものは水っぽかったりする可能性があります。また、表面に自然な光沢があるかどうかも重要なチェックポイントです。
「締まり」とは、お肉の繊維が密で、ダレていない状態を指します。包丁で切った断面がピシッと立っていて、弾力がありそうな見た目のお肉は、食感が良く旨味も凝縮されています。格付けの項目にも「肉の締まり及び肉質」が含まれており、プロも重視するポイントです。
また、脂の部分(白身)もチェックしましょう。真っ白、もしくは乳白色で、赤身との境界線がくっきりしているものが良質です。黄色みが強い脂は、牛が食べていた草の影響などもありますが、一般的には白い脂の方が牛肉特有の甘みが強いとされています。
お肉の色は、酸素に触れることで変化します。切りたては少し暗い色をしていますが、数分経つと鮮やかな赤色に変わります。お店で提供された時に、瑞々しい赤色をしていれば、それは切り立ての新鮮な証拠です。
熟成(エイジング)による風味の違い
BMSが高い新鮮なお肉も素晴らしいですが、最近注目されているのが「熟成肉(エイジングビーフ)」です。お肉を一定の温度と湿度の下で寝かせることで、タンパク質が分解されてアミノ酸(旨味成分)が増え、肉質がさらに柔らかくなります。
熟成させることで、ナッツのような独特の香ばしい芳醇な香りが生まれます。これは新鮮な和牛の香りとはまた違った魅力です。特に、BMSが少し低めの赤身肉を熟成させると、霜降り肉に負けないほどの濃厚な旨味と柔らかさを引き出すことができます。
焼肉店で「熟成」の文字を見かけたら、BMSの数値だけでは測れない「時間というスパイス」が加わっていると考えてみてください。霜降りの甘みを求めるなら新鮮な高BMS肉、肉の深みを求めるなら熟成肉といった使い分けも、大人の焼肉の楽しみ方です。
焼肉店でBMSの知識を活かす!賢い注文の仕方と焼き方のコツ
ここまで学んだBMSの知識を、実際の焼肉店でどのように活かせばよいのでしょうか。ただ「高いお肉」を頼むだけでなく、自分の好みやその日の状況に合わせた賢い選択をすることで、満足度は何倍にも膨らみます。
焼肉は、自分で焼くというプロセスがあるからこそ、お肉の性質を知っているかどうかが味に大きく影響します。特に高BMSのお肉はデリケートなため、焼きすぎるとせっかくの脂が落ちすぎてしまい、本来の美味しさを逃してしまいます。
部位ごとのBMSの特性を理解し、それに合わせた食べ方をマスターすれば、もう焼肉選びで失敗することはありません。店員さんに「今日のこの部位のBMSはどのくらいですか?」とさらっと聞けるようになれば、あなたも立派な焼肉通です。
部位ごとに最適なBMSの見極め方
すべての部位でBMSが高い方が良いわけではありません。例えば、ヒレやモモといった赤身中心の部位は、もともと霜降りが入りにくい場所です。そのため、これらの部位で無理に高BMSを求めると、本来の「肉の味」が脂にかき消されてしまうこともあります。
一方で、サーロインやリブロース、カルビ(バラ肉)などは、BMSが高いほどその真価を発揮します。これらの部位は脂の甘みを味わうためのものなので、思い切ってBMS8以上の高ランクを狙うのが正解です。対照的に、タンやハラミ(横隔膜)は、BMSというよりは「肉の締まり」や「鮮度」を重視して選ぶのがおすすめです。
注文の際は、まず脂の強い高BMSの部位を一皿選び、次にBMSが低めの赤身やホルモンを組み合わせるのが、最後まで美味しく食べるためのテクニックです。緩急をつけることで、最高級肉の脂の甘みをより鮮明に感じることができます。
霜降り肉をより美味しく食べるための焼き加減
BMSが高い霜降り肉を焼く時の鉄則は「強火で短時間」です。網が十分に温まったことを確認してからお肉をのせ、表面をさっと焼き固めることで、内側の脂を閉じ込めます。高BMSのお肉は脂が多いため、火が通りやすく、焼きすぎるとすぐに焦げてしまうので注意が必要です。
理想的なのは、表面は香ばしく焼き色がつき、中はほんのりピンク色が残る「ミディアムレア」の状態です。脂が溶け出す瞬間に口へ運ぶのが、最高の美味しさを味わうタイミングです。逆に、BMSが低い赤身肉の場合は、焼きすぎると硬くなってしまうため、こちらも片面をしっかり、もう片面は軽く炙る程度にするのが良いでしょう。
脂が網に落ちて炎が上がってしまったときは、氷を網の上に置いて落ち着かせるのがスマートです。煙を出しすぎてお肉に煤(すす)がつかないように気を配ることも、霜降り肉の繊細な風味を守るためには欠かせません。
さっぱり食べたい時のタレ・塩の選び方
BMSが高いお肉は、そのままでも十分に濃厚な味がします。そのため、王道の甘口タレも美味しいですが、素材の味を際立たせるために「塩とわさび」の組み合わせをぜひ試してみてください。わさびの辛味成分は脂と混ざり合うことでマイルドになり、驚くほど爽やかにお肉を食べさせてくれます。
また、最近では「おろしポン酢」や「生レモン」を用意しているお店も多いです。中盤以降で脂が少し重く感じてきたら、酸味のある調味料に切り替えることで口の中がリセットされ、再び美味しくお肉を楽しむことができます。
【高BMS肉におすすめの調味料】
・粗塩:脂の甘みをダイレクトに引き立てる
・本わさび:脂のしつこさを中和し、風味を格上げする
・柚子胡椒:香りのアクセントで高級感を演出する
・卵黄醤油:すき焼き風の濃厚なコクを楽しむ
お肉の個性に合わせた調味料を選ぶことで、一枚のお肉が持つポテンシャルを最大限に引き出すことができます。BMSという指標を参考にしながら、自分なりの「最高の食べ方」を見つけていくのも、焼肉の楽しみの一つです。
BMS(牛肉の霜降り基準)を知って最高の焼肉体験を楽しもう
牛肉の格付けにおける「BMS」とは、単なる数字ではなく、生産者の方々が手塩にかけて育てた牛の「努力の結晶」とも言える指標です。霜降りの度合いを12段階で表すこの基準を知ることで、私たちは自分の好みに合ったお肉をより正確に選べるようになります。
「A5ランク」という言葉に隠されたBMSの数値。それが高いほど、とろけるような柔らかさと甘い香りを楽しむことができ、逆に適度な数値であれば、お肉らしい力強い旨味を堪能できます。どちらが正解ということはなく、大切なのは「その時の気分や好みに合っているか」という点にあります。
また、BMS以外にも、脂の融点(不飽和脂肪酸の量)や肉の色、鮮度といった要素が組み合わさって、一つの「美味しいお肉」が完成します。今回の知識を武器に、焼肉店でのメニュー選びや焼き方に少しだけこだわってみてください。
次回の焼肉では、ぜひ目の前のお肉の霜振りに注目し、「これはBMSいくつくらいかな?」と思いを馳せてみてはいかがでしょうか。基準を知ることで、いつもの焼肉がさらに美味しく、そして特別な体験になることは間違いありません。




