ザブトンとミスジ、どっちを選ぶ？味わい・価格・食べ方を徹底比較！

焼肉店で「ザブトン」や「ミスジ」といった希少部位の名前を目にして、どちらを注文しようか迷った経験はありませんか？どちらも牛1頭からわずかしか取れない貴重な部位で、焼肉好きなら一度は味わってみたい逸品です。 ザブトンは美しい霜降りが特徴で、とろけるような食感が魅力。 一方のミスジは、赤身の旨味と独特の食感が楽しめると人気です。

この記事では、ザブトンとミスジ、それぞれの部位の基本的な違いから、味わいや食感、価格、そして美味しさを最大限に引き出す食べ方まで、あらゆる角度から徹底比較します。この記事を読めば、あなたの好みにぴったりの部位がどちらなのかが分かり、次回の焼肉がもっと楽しくなること間違いなしです。

ザブトンとミスジ、どっちを選ぶ？まずは基本の違いを知ろう

ザブトンとミスジは、どちらも牛の肩周りの肉ですが、具体的な場所や見た目、希少性には違いがあります。これらの基本情報を知ることで、それぞれの部位への理解が深まります。

部位の場所の違い

ザブトンは、肩ロースという背中側の大きな部位の一部で、あばら骨側にあります。 肩ロースの中でも特に美しいサシ（霜降り）が入る部分として知られています。 関西地方では「ハネシタ」と呼ばれることもあります。

一方、ミスジはウデの一部で、肩甲骨の内側にくっついているお肉です。 ウデは牛がよく動かす部分ですが、ミスジはあまり動かさないため、柔らかい肉質が特徴です。

見た目とサシの入り方の違い

ザブトンとミスジは、見た目にも分かりやすい違いがあります。

ザブトンは、その名の通り座布団のような四角い形をしていることから名付けられました。 全体にきめ細かいサシがびっしりと入っており、見た目にも非常に豪華な印象です。 この美しい霜降りが、とろけるような食感を生み出します。

ミスジの最大の特徴は、お肉の真ん中と上下に3本のスジが入っていることです。 これが「三筋（ミスジ）」という名前の由来になっています。 和牛のミスジは、このスジを中心に木の葉のような美しい模様のサシが入るのが特徴です。 スジと聞くと硬いイメージがあるかもしれませんが、ミスジのスジは焼くと柔らかくなり、口に残ることはほとんどありません。

希少性の違い

ザブトンもミスジも、牛1頭から取れる量が少ないため「希少部位」と呼ばれています。

• ザブトン: 牛1頭から約3〜4kgしか取れないとされています。
• ミスジ: 牛1頭から約1〜3kgしか取れず、「幻の部位」と呼ばれることもあります。

どちらも大変貴重なお肉であることには変わりありませんが、取れる量で比較するとミスジの方がより希少性が高いと言えるでしょう。 この希少性が、焼肉店などでの高い価格にも反映されています。

味わいと食感を徹底比較！ザブトンとミスジの魅力

ザブトンとミスジ、それぞれの基本的な違いがわかったところで、次は最も気になる「味」と「食感」を詳しく見ていきましょう。どちらも甲乙つけがたい魅力がありますが、その個性は全く異なります。

ザブトンの特徴：とろける食感と濃厚な旨味

ザブトンの最大の魅力は、なんといっても口の中ですっと溶けていくような、とろける食感です。 きめ細かく入ったサシが熱で溶け出し、上質な脂の甘みと肉本来の濃厚な旨味が口いっぱいに広がります。

脂の量は多めですが、その質は軽やかでしつこくなく、後味は意外にもあっさりしています。 コクのある上品な味わいで、少量でも高い満足感を得られるのが特徴です。 まさに「贅沢」という言葉がぴったりの部位と言えるでしょう。

ミスジの特徴：独特の食感と赤身のコク

ミスジは、ザブトンのようなとろける食感とは一味違います。赤身とサシのバランスが絶妙で、柔らかさの中に、シャクっとした独特の歯切れの良さが感じられます。

噛むほどに赤身のしっかりとした旨味とコクが溢れ出し、後からサシの甘みが追いかけてくるような奥深い味わいです。 脂が多すぎないため、カルビのような脂の濃厚さが苦手な方でも食べやすいのが魅力です。 肉本来の味わいをじっくりと楽しみたい方におすすめの部位です。

脂の質と量の違い

ザブトンとミスジの味わいの違いは、脂の質と量に大きく関係しています。

• ザブトン: 霜降りが非常に多く、脂の甘みとジューシーさが前面に出ています。 脂の旨味を存分に楽しみたい方向けです。
• ミスジ: 赤身が主体でありながら、適度にサシが入っています。 赤身の旨味と脂の甘みの両方をバランス良く楽しみたい方向けです。

脂の甘みを重視するならザブトン、赤身の旨味を味わいたいならミスジ、と覚えておくと選びやすいでしょう。

どんな人におすすめ？（好み別比較表）

ここで、ザブトンとミスジがそれぞれどんな人におすすめなのかを、表で分かりやすくまとめてみましょう。

価格帯とカロリーをチェック！お店選びの参考に

美味しいお肉を選ぶ上で、価格やカロリーも気になるところです。希少部位であるザブトンとミスジは、一般的な部位と比べてどのくらいの価格帯で、カロリーはどの程度なのでしょうか。お店で注文する際の参考にしてみてください。

ザブトンとミスジの価格相場

ザブトンとミスジはどちらも希少部位のため、一般的なカルビやロースに比べると価格は高めに設定されています。

• ザブトン: 焼肉店では「特上カルビ」や「特上ロース」として提供されることも多く、高級部位として扱われます。 国産和牛の場合、100gあたり1,000円を超えることも珍しくありません。
• ミスジ: ザブトンと同様に、こちらも「特上カルビ」などとして提供されることがある高級部位です。 牛1頭から取れる量がザブトンよりさらに少ないため、同等かそれ以上の価格になる傾向があります。

カロリーと栄養素の違い

脂の量が美味しさの決め手となるこれらの部位ですが、カロリーも気になります。

• ザブトン: 脂が非常に多いため、カロリーは高めです。100gあたり約500キロカロリーと言われています。 一般的なロース肉（約200キロカロリー/100g）と比較すると、その高さが分かります。
• ミスジ: ザブトンに比べると赤身が多いため、カロリーは少し控えめになります。明確なカロリー表記は少ないですが、近い部位である肩肉（脂身つき）が100gあたり約286kcalというデータがあります。

カロリーを比較すると、ザブトンの方がミスジよりも高い傾向にあります。 ただし、どちらも美味しいからといって食べ過ぎには注意が必要です。 栄養面では、どちらも良質なたんぱく質や、健康な血液を作るのに役立つビタミンB12、皮膚や粘膜を正常に保つミネラルなどが含まれています。

焼肉店での位置づけと注文のポイント

焼肉店では、ザブトンもミスジも「本日の特選部位」や「希少部位盛り合わせ」といった形で提供されることが多いです。もしメニューにあれば、ぜひ試してみたい逸品です。

注文する際のポイントとしては、まず少量から試してみるのがおすすめです。特にザブトンは脂が多いため、一度にたくさん食べると胃がもたれてしまう可能性があります。

また、お店によってはザブトンを「ハネシタ」、ミスジを「ヒウチ」と呼ぶ場合もあるので、分からない場合は店員さんに確認してみましょう。 どちらか一方しかメニューにないことも多いので、両方食べ比べてみたい場合は、事前に取り扱いがあるかお店に問い合わせておくと確実です。

【食べ方別】ザブトンとミスジのおすすめ調理法

ザブトンとミスジ、それぞれの魅力を最大限に引き出すには、食べ方にもこだわりたいものです。焼肉はもちろん、ステーキやすき焼きなど、様々な調理法でその美味しさを堪能できます。

焼肉で楽しむ場合の焼き方とタレ

ザブトンはサシが非常に多いので、強火でさっと炙る程度で十分です。 表面に軽く焼き色がついたらすぐに裏返し、中はレア気味でいただきましょう。 焼きすぎるとせっかくの脂が溶け落ちてしまい、食感が硬くなる原因になります。 タレは、肉の甘みを引き立てるわさび醤油やさっぱりとした塩ダレ、甘口のタレがよく合います。

ミスジも同様に、火を通しすぎるとパサつきやすくなるため、焼き加減には注意が必要です。 中火でじっくりと、しかし時間はかけすぎず、表面を焼き固めるイメージで焼くと良いでしょう。 ミスジ本来の濃厚な旨味を味わうために、こちらもわさび醤油や塩でシンプルにいただくのがおすすめです。醤油ベースのタレとも相性が良いです。

ステーキで味わう場合のポイント

ザブトンもミスジも、厚切りにしてステーキで味わうのも格別です。

ザブトンのステーキは、口の中でとろけるような贅沢な食感を存分に楽しめます。調理のポイントは、焼く30分ほど前に冷蔵庫から出して常温に戻しておくことです。 フライパンをしっかり熱し、表面に香ばしい焼き目をつけたら、中はレアに仕上げるのが美味しく食べるコツです。

ミスジのステーキは、赤身の旨味とジューシーさをダイレクトに感じられます。 こちらも焼きすぎは禁物。低温でじっくり火を通すことで、肉の柔らかさを損なわずに調理できます。 シンプルな味付けでも、ミスジ本来の力強い味わいを堪能できるでしょう。

その他の調理法（すき焼き・しゃぶしゃぶなど）

薄切りにすれば、すき焼きやしゃぶしゃぶでも美味しくいただけます。

ザブトンをすき焼きやしゃぶしゃぶに使うと、割り下や出汁に上質な脂が溶け出し、全体に深いコクと甘みを与えてくれます。 さっと火を通すだけで、口の中でとろける食感を楽しめます。

ミスジも薄切りにしてすき焼きやしゃぶしゃぶにぴったりです。 適度な脂が甘みを加えつつ、赤身の旨味もしっかりと感じられます。プルっとした独特の食感をより一層楽しむことができるでしょう。

まとめ：ザブトンとミスジ、あなたはどっち派？違いを知って焼肉をもっと楽しもう

この記事では、人気の希少部位「ザブトン」と「ミスジ」について、部位の場所から味わい、おすすめの食べ方まで詳しく比較してきました。

• ザブトンは、肩ロースの一部で、美しい霜降りが特徴。とろけるような食感と脂の濃厚な甘みを楽しみたい方におすすめです。
• ミスジは、ウデの一部で、赤身とサシのバランスが良い部位。独特の食感と赤身のしっかりとした旨味を味わいたい方にぴったりです。

どちらも甲乙つけがたい魅力を持つ希少部位ですが、その個性は全く異なります。 とろける脂の甘みを求めるならザブトン、肉本来の旨味と食感を楽しみたいならミスジ、というのが一つの選び方の基準になるでしょう。

次回焼肉店に行く際には、ぜひこの記事を参考にして、自分の好みに合った部位を選んでみてください。それぞれの違いを知ることで、牛肉の奥深い世界をさらに楽しむことができるはずです。