フランクステーキとは?部位の特徴から美味しい食べ方まで詳しく解説

牛肉の部位とランキング

牛肉の世界は奥深く、様々な部位にそれぞれ違った魅力があります。その中でも「フランクステーキ」という名前を聞いたことはありますか?日本ではまだあまり馴染みがないかもしれませんが、実は牛肉の旨みがぎゅっと詰まった、とても美味しい部位なのです。

赤身肉の力強い味わいと、程よい歯ごたえが特徴で、ステーキはもちろん、様々な料理で活躍します。この記事では、フランクステーキが牛のどの部分なのか、ハラミやサガリといった似た部位との違い、そして、お家でも美味しく食べられる下処理の方法や焼き方のコツ、おすすめのレシピまで、フランクステーキの魅力を余すところなくお伝えします。これを読めば、あなたもきっとフランクステーキを食べてみたくなるはずです。

フランクステーキとは?その正体と魅力を深掘り

ステーキといえばサーロインやヒレが有名ですが、フランクステーキにはまた違った魅力があります。まずは、フランクステーキがどのようなお肉なのか、その基本的な情報から見ていきましょう。名前の由来や部位、味わいの特徴を知ることで、より一層フランクステーキを楽しめるようになります。

牛のどの部分?フランクステーキの部位を解説

フランクステーキは、牛の腹部の下側にある「ともばら」という大きな括りの中の一部です。 具体的には、カイノミという部位に隣接する「ササミ」や「フランク」と呼ばれる部分にあたります。 この部位は、筋肉がよく動く場所であるため、脂肪が少なく赤身が多いのが特徴です。見た目が笹の葉に似たサシ(脂肪)が入っていることから、「ササバラ」や「笹肉」とも呼ばれています。
日本では焼肉店で「ササミ」や「上カルビ」として提供されることもありますが、海外では「フランクステーキ」として一般的に家庭でも親しまれている部位です。 牛一頭から取れる量が少ないため、希少部位とされています。

なぜ「フランク」?名前の由来と歴史

「フランク」という名前は、英語の“Flank”(フランク)に由来しています。 “Flank”は「脇腹」や「側面」を意味する言葉で、その名の通り、牛の脇腹に位置することからこの名前が付けられました。

古くは、この部位は硬いと考えられていたため、主にひき肉や煮込み料理に使われることが多かったようです。しかし、調理法が研究されるにつれて、筋繊維の方向を見極めて正しくカットし、適切に火を通すことで、非常に美味しく食べられることが分かりました。現在では、その濃厚な味わいとコストパフォーマンスの良さから、アメリカやヨーロッパの家庭、レストラン、BBQなどで人気の高いステーキ肉の一つとなっています。

フランクステーキの味と食感の特徴

フランクステーキの最大の魅力は、赤身肉本来の濃厚な味わいです。脂肪分が少ないため、肉の旨みがダイレクトに感じられます。バラ肉の一種でありながら、比較的あっさりとしていて、それでいてバラ肉特有のコクと甘みも楽しむことができます。

食感は、はっきりとした筋繊維があるため、しっかりとした歯ごたえがあります。 しかし、これは決して硬いというわけではありません。適切な下処理と焼き方をすれば、噛むほどに肉汁が溢れ出し、肉の旨みを存分に味わえる独特の食感となります。この力強い食感と濃厚な味わいが、世界中の肉好きを魅了しているのです。脂身の多い霜降り肉が苦手な方でも、フランクステーキなら美味しく食べられるでしょう。

ハラミやサガリとは違う?よく似た部位との徹底比較

焼肉店で人気の「ハラミ」や「サガリ」、そしてフランクステーキの近くにある「カイノミ」。これらはフランクステーキと混同されやすい部位ですが、実はそれぞれ異なる特徴を持っています。ここでは、これらの部位との違いを詳しく解説し、フランクステーキへの理解をさらに深めていきましょう。

フランクステーキとハラミの違い

フランクステーキとハラミは、食感や見た目が似ているためよく間違われますが、

決定的な違いは、分類上の違いです。フランクステーキがバラ肉の一部、つまり「正肉(骨や皮を除いた食用の肉)」に分類されるのに対し、ハラミは牛の「横隔膜」の筋肉で、「内臓肉(ホルモン)」に分類されます。

横隔膜は呼吸の際に常に動いているため、ハラミは筋肉質でしっかりとした弾力がありながらも、適度な脂肪もあってジューシーなのが特徴です。 一方、フランクステーキは腹筋にあたる部位の肉で、ハラミよりも脂肪が少なく、より赤身の味が濃いのが特徴です。味わいの方向性は似ていますが、ハラミの方がより柔らかく、フランクステーキの方が肉々しい食感を楽しめると言えるでしょう。

フランクステーキとサガリの違い

サガリもハラミと同様に牛の横隔膜の筋肉で、内臓肉に分類されます。 具体的には、横隔膜の肋骨側にある厚い部分がサガリです。 一頭の牛から取れる量はハラミよりも少なく、より希少な部位とされています。

味わいの違いとしては、サガリはハラミよりも脂肪が少なく、よりあっさりとしています。 赤身のような淡白な味わいの中に、内臓肉ならではの独特の風味とコクを感じられます。フランクステーキと比較すると、サガリの方がさらにヘルシーで、肉の繊維も細かい傾向にあります。しっかりとした肉の味を楽しみたいならフランクステーキ、よりさっぱりとヘルシーに食べたいならサガリがおすすめです。

カイノミとの違いは?

カイノミは、フランクステーキと同じ「ともばら」の一部で、フランク(ササミ)に隣接している部位です。 ヒレ肉の近くにあり、その形状が貝の身に似ていることから「カイノミ」と呼ばれています。

カイノミはバラ肉の中でも特に柔らかい部位として知られており、赤身と脂のバランスが非常に良いのが特徴です。フランクステーキが赤身の力強い旨みと歯ごたえを楽しむ部位であるのに対し、カイノミはとろけるような柔らかさと、上品な脂の甘みを堪能できます。同じバラ肉でありながら、その個性は大きく異なります。赤身好きならフランクステーキ、柔らかさと脂の旨みを重視するならカイノミを選ぶと良いでしょう。

部位による味と価格の違いを表で比較

部位 分類 主な特徴 味わい・食感 価格帯(目安)
フランクステーキ(ササミ) 正肉(バラ肉) 赤身が多く、肉の味が濃厚。はっきりとした筋繊維。 力強い肉の旨みとしっかりとした歯ごたえ。 比較的安価
ハラミ 内臓肉(横隔膜) 適度な脂肪がありジューシー。柔らかく弾力がある。 濃厚な旨みと柔らかい食感。 中程度
サガリ 内臓肉(横隔膜) 脂肪が少なくヘルシー。ハラミより淡白。 あっさりとした味わいと柔らかな食感。 中程度〜やや高価
カイノミ 正肉(バラ肉) 赤身と脂のバランスが良い。非常に柔らかい。 上品な脂の甘みととろけるような柔らかさ。 高価

フランクステーキを美味しく食べるための下準備

フランクステーキは、赤身肉の旨みが凝縮された魅力的な部位ですが、その美味しさを最大限に引き出すには、焼く前の下準備が非常に重要です。少しの手間をかけるだけで、驚くほど柔らかくジューシーに仕上がります。ここでは、家庭で簡単にできる下準備のコツをご紹介します。

美味しさの秘訣は「筋切り」にあり

フランクステーキは筋繊維がはっきりしているため、そのまま焼くと硬く感じてしまうことがあります。そこで欠かせないのが「筋切り」です。筋切りには、肉が縮んだり反り返ったりするのを防ぎ、火の通りを均一にする効果があります。

方法は簡単です。まず、肉の表面をよく見て、筋繊維がどの方向に走っているかを確認します。そして、その繊維を断ち切るように、包丁の先で浅く数カ所切り込みを入れるか、ミートテンダライザー(肉を柔らかくする道具)やフォークで全体をまんべんなく刺します。これにより、加熱しても繊維が強く収縮するのを防ぎ、柔らかい食感に仕上がります。特に厚みのあるフランクステーキの場合は、このひと手間が大きな違いを生みます。

硬さを和らげる!おすすめの漬け込みダレ

筋切りに加えて、マリネ(漬け込むこと)もフランクステーキを柔らかくするのに非常に効果的です。 酸味や酵素を含む液体に漬け込むことで、肉のタンパク質が分解され、組織が柔らかくなります。
おすすめの漬け込み液(マリネ液)は、以下のようなものが挙げられます。

  • フルーツベース: パイナップル、キウイ、梨などのすりおろし。これらに含まれる酵素が肉を柔らかくします。 醤油やニンニクと混ぜて漬け込むと、フルーティーな甘みと香りが加わります。
  • 酸味ベース: 赤ワインビネガー、レモン汁、ヨーグルトなど。 酸が筋繊維をほぐす効果があります。オリーブオイルやハーブと合わせると、風味豊かな洋風マリネになります。
  • 発酵調味料ベース: 塩麹や醤油麹、味噌など。日本の発酵食品に含まれる酵素も肉を柔らかくし、深い旨みを加えてくれます。
漬け込み時間の目安は、最低でも30分から1時間、できれば数時間から一晩冷蔵庫で寝かせるとより効果的です。 漬け込む際は、ジップロックなどの密閉袋を使うと、少ないマリネ液で全体に味をいきわたらせることができます。

冷蔵庫から出して常温に戻すタイミング

ステーキを美味しく焼くための基本的なポイントですが、フランクステーキでもこれは非常に重要です。 冷蔵庫から出したばかりの冷たい肉をそのまま焼くと、表面だけが焼けてしまい、中心部まで均一に火が通りません。結果として、表面は焼きすぎで硬くなり、中は冷たいままという残念な仕上がりになってしまいます。
焼く30分〜1時間前には冷蔵庫から出し、室温に置いておくようにしましょう。 肉の芯まで常温に戻すことで、熱がスムーズに伝わり、短時間で理想の焼き加減に仕上げることができます。肉の表面の水分はキッチンペーパーでしっかりと拭き取っておきましょう。水分が残っていると、焼くというより蒸す状態になり、香ばしい焼き色(メイラード反応)がつきにくくなります。

家庭でできる!フランクステーキの絶品焼き方ガイド

下準備が完了したら、いよいよフランクステーキを焼いていきましょう。フランクステーキは脂肪が少ない赤身肉なので、焼きすぎると硬くなってしまいます。「高温で短時間」が美味しく焼くための合言葉です。フライパンやグリルを使った基本的な焼き方から、美味しさを見極めるポイントまで、詳しく解説します。

フライパンで焼く基本のステーキ

家庭で最も手軽にできるのがフライパンを使った焼き方です。厚手の鉄製フライパンがあれば理想的ですが、なければご家庭にあるもので大丈夫です。

  1. フライパンをしっかり熱する: まず、フライパンを強火にかけ、煙が少し出るくらいまで十分に熱します。
  2. 油をひいて肉を投入: 牛脂か、なければサラダ油やオリーブオイルをひき、下準備をしたフランクステーキを入れます。入れた瞬間に「ジュッ」と良い音がするのが理想的な温度です。
  3. 片面をしっかり焼く: 強火のまま、片面を1〜2分ほど焼きます。 肉の厚みによりますが、あまり動かさずに、こんがりとした焼き色をつけます。
  4. 裏返して焼く: 裏返したら、火を少し弱めて中火にし、もう片面を1〜2分焼きます。焼き加減はお好みで調整してください。ミディアムレアがフランクステーキの柔らかさと旨みを楽しむのにおすすめです。
  5. 仕上げ: 最後にバターやニンニク、醤油などを加えて風味付けをすると、より一層美味しくなります。

BBQにも最適!グリルでの焼き方

フランクステーキはBBQの主役にもぴったりです。炭火で焼くことで、フライパンとはまた違った香ばしい風味を楽しめます。

  1. グリルを予熱する: 炭火をおこし、網を十分に熱しておきます。ガスグリルの場合も、高温でしっかりと予熱してください。
  2. 強火エリアで焼き色をつける: まずは火力が一番強い場所で、片面ずつ1〜2分焼いて、表面に格子状のきれいな焼き色をつけます。
  3. 弱火エリアで火を通す: 焼き色がついたら、火力が少し弱い場所に移し、蓋をするかアルミホイルをかぶせて、好みの焼き加減になるまでじっくりと火を通します。
  4. 火加減の調整: 炭火は火力が均一でないため、焦げ付かないように時々肉の場所を移動させながら焼くのがコツです。

焼き加減のベストな見極め方

ステーキの焼き加減は、金串や指で押したときの弾力で見極めるのが一般的です。

  • レア: 表面は焼けているが、中心部は生に近い状態。指で押すとフニャッと柔らかい。
  • ミディアムレア: 中心部がほんのり温かいピンク色。指で押すと、レアよりは弾力があるが、まだ柔らかさを感じる。 フランクステーキに最もおすすめの焼き加減です。
  • ミディアム: 中心部まで火が通り、ピンク色がうっすらと残る程度。弾力がしっかりと感じられる。
  • ウェルダン: 中心部まで完全に火が通った状態。指で押すと硬い。
最も確実なのは、肉用温度計を使う方法です。中心部の温度がミディアムレアなら55〜60℃、ミディアムなら60〜65℃が目安となります。

旨味を閉じ込める「休ませる」工程

ステーキを焼いた後、すぐにカットしてはいけません。これはフランクステーキに限らず、全てのステーキに共通する非常に重要なポイントです。
焼きあがった肉をアルミホイルでふんわりと包み、焼いた時間と同じくらいの時間(5〜10分程度)常温で休ませます。 この工程を「レスト」と呼びます。加熱によって肉の中心に集まっていた肉汁が、休ませることで肉全体にゆっくりと戻り、安定します。これにより、カットした時に美味しい肉汁が流れ出るのを防ぎ、ジューシーで柔らかいステーキを味わうことができます。このひと手間をかけるだけで、仕上がりが格段に変わります。

フランクステーキを堪能する!おすすめレシピとソース

フランクステーキは、シンプルなステーキとして味わうのが一番ですが、その濃厚な味わいは様々な料理やソースとも相性抜群です。ここでは、定番のステーキソースから、日々の食卓で活躍するアレンジレシピまで、フランクステーキの美味しさをさらに引き出す食べ方をご紹介します。

定番!ガーリック醤油ソースのステーキ

日本人にとって馴染み深い、食欲をそそる組み合わせです。フランクステーキの力強い肉の旨みと、香ばしいニンニク醤油の風味が絶妙にマッチします。
作り方はとてもシンプル。ステーキを焼いた後のフライパンに残った肉汁をそのまま利用します。みじん切りにしたニンニクを炒めて香りを出し、そこに醤油、みりん、酒を加えて少し煮詰めるだけで完成です。お好みでバターを加えると、コクと風味がさらにアップします。焼きあがったフランクステーキをスライスし、熱々のソースをかければ、ご飯が何杯でも食べられてしまう一品になります。

さっぱり美味しい!和風おろしポン酢

濃厚なフランクステーキをさっぱりと食べたい時には、和風おろしポン酢がおすすめです。大根おろしの爽やかさとポン酢の酸味が、ステーキの脂分を和らげ、後味をすっきりとさせてくれます。
大根をおろし、軽く水気を切ってステーキの上にたっぷりと乗せ、市販のポン酢をかけるだけ。刻んだ大葉やミョウガなどの薬味を添えると、さらに風味が豊かになります。特に夏場など、食欲が落ちやすい季節にもぴったりの食べ方です。フランクステーキの新たな魅力を発見できる組み合わせと言えるでしょう。

アレンジいろいろ!フランクステーキを使った料理

フランクステーキは薄くスライスすることで、様々な料理に活用できます。筋繊維を断ち切るように薄切りにすれば、冷めても柔らかく美味しくいただけます。

  • ステーキサンド: トーストしたパンに、レタスやトマト、スライスしたフランクステーキを挟みます。ホースラディッシュ(西洋わさび)を効かせたマヨネーズソースや、甘辛いBBQソースがよく合います。ボリューム満点で、ランチやピクニックにも最適です。
  • サイコロステーキ: フランクステーキを一口大のサイコロ状にカットして焼けば、お子様にも食べやすい一品になります。 焼き上がりにバター醤油を絡めたり、きのこやパプリカなどの野菜と一緒に炒めたりするのもおすすめです。
  • タコスやファヒータの具材として: メキシコ料理でもフランクステーキはよく使われます。細切りにしたフランクステーキを玉ねぎやピーマンと一緒に炒め、トルティーヤで巻けば本格的なファヒータの完成です。ワカモレやサルサソースと一緒に、スパイシーな味わいを楽しみましょう。

まとめ:フランクステーキを知って、もっと牛肉を楽しもう

この記事では、フランクステーキの部位や名前の由来といった基本的な情報から、ハラミやサガリとの違い、そして家庭で美味しく食べるための下処理や焼き方のコツ、アレンジレシピまで、幅広くご紹介しました。

フランクステーキは、赤身肉の濃厚な旨みとしっかりとした歯ごたえが魅力の、コストパフォーマンスにも優れた部位です。少し硬いというイメージがあるかもしれませんが、筋繊維を断ち切るように下処理をし、「高温で短時間」で焼き、焼いた後にしっかり休ませるというポイントさえ押さえれば、家庭でも驚くほど柔らかくジューシーなステーキを楽しむことができます。

ステーキとしてはもちろん、サンドイッチや炒め物など、様々な料理にアレンジできるのもフランクステーキの便利なところです。これまでサーロインやヒレしか食べたことがなかったという方も、ぜひ一度フランクステーキを試してみてはいかがでしょうか。きっと、牛肉の新たな美味しさに出会えるはずです。

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