「希少部位のミスジステーキを楽しみにしていたのに、食べてみたら硬くてまずい…」なんて経験はありませんか?高級なイメージがあるミスジですが、時々ネガティブな声が聞かれるのも事実です。しかし、それはミスジが本当にまずいのではなく、部位の特徴や調理法に原因があるのかもしれません。
ミスジは牛の肩甲骨の内側にある、一頭からわずか2〜3kgしか取れない希少な部位です。 赤身の旨味と適度なサシ(脂肪)のバランスが絶妙で、本来はとても美味しいお肉です。
この記事では、ミスジステーキがなぜ「まずい」と感じられてしまうのか、その理由を解き明かします。そして、部位の特徴を正しく理解し、下処理や焼き方のコツを押さえることで、ご家庭でもお店のような絶品ミスジステーキを味わうための方法を、わかりやすくご紹介します。
ミスジステーキがまずいと言われるのはなぜ?考えられる3つの理由

希少部位として人気のミスジステーキですが、調理方法や肉質によっては「まずい」と感じてしまうことがあります。 その主な理由を知ることで、失敗を防ぎ、ミスジ本来の美味しさを引き出すことができます。
真ん中の大きな筋が硬い
ミスジという名前の由来は、肉の真ん中に3本の筋が入っていることから来ています。 特に中央にある太い筋は加熱しても硬さが残りやすく、これが「ゴリゴリ」「グニグニ」とした不快な食感の原因となることがあります。
スーパーなどで販売されているミスジは、上下の筋は取り除かれていることが多いですが、真ん中の筋は残ったままのことがほとんどです。 この筋の存在を知らずに食べると、噛み切りにくさから「まずい」という印象を持ってしまうのです。 適切な下処理でこの筋を断ち切る「筋切り」を行うことが、美味しく食べるための重要なポイントになります。
焼き加減が合っていない
ミスジステーキがまずく感じる最大の原因の一つが「焼きすぎ」です。 ミスジは水分量が比較的少ない部位であるため、火を通しすぎると肉汁や脂が流れ出てしまい、パサパサで硬い食感になりがちです。
特に家庭用のフライパンでは火力の調整が難しく、意図せず加熱しすぎてしまうことが少なくありません。 せっかくの柔らかさやジューシーさを損なわないためには、焼き加減のコントロールが非常に重要です。 おすすめの焼き加減は、中心がほんのりピンク色になるミディアムレア。 強火で表面に素早く焼き目をつけ、その後は火加減を調整しながらじっくりと火を通し、余熱をうまく利用するのが美味しく仕上げるコツです。
肉の品質や産地の違い
同じ「ミスジ」という名前でも、国産和牛と海外産では肉質が大きく異なります。 国産の、特に和牛のミスジは霜降りがきめ細かく入っており、脂の甘みととろけるような柔らかさが特徴です。
一方、海外産(特にアメリカ産など)のミスジは赤身が中心で、脂肪が少なく、筋張っている傾向があります。 そのため、和牛と同じ感覚で調理すると、硬くてパサついた仕上がりになり、「期待と違う」「まずい」と感じてしまう原因になります。 販売店や産地によって品質に差があるため、それぞれの肉質に合った下処理や調理法を選ぶことが大切です。
ポイントまとめ
筋の処理: 真ん中の硬い筋は食感を損なう原因。筋切りで対処しよう。
焼き加減: 焼きすぎは厳禁!ミディアムレアを目指し、ジューシーさを保とう。
*肉選び: 国産和牛と海外産では全くの別物。肉質に合った調理を心がけよう。
そもそもミスジはどんな部位?特徴を理解しよう

ミスジステーキを美味しく味わうためには、まずミスジが牛のどの部分で、どのような特徴を持つ肉なのかを知ることが大切です。部位への理解を深めることで、調理の際のポイントも見えてきます。
肩甲骨の内側にある希少部位
ミスジは、牛の肩甲骨の内側にくっついている部位の肉です。 肩からウデにかけての部位は、牛がよく動かす部分なので筋肉質で硬い肉が多いのですが、ミスジがある肩甲骨のあたりはあまり動かさないため、柔らかい肉質を持っています。
牛一頭からわずか2〜3kgほどしか取れないため、希少部位として珍重されています。 焼肉店などでは「特上カルビ」として提供されることもあるほど、価値の高いお肉です。 この希少性が、ミスジの特別感を高めている理由の一つです。
赤身とサシのバランスが良い
ミスジの大きな魅力は、上質な赤身と細やかに入ったサシ(霜降り)の絶妙なバランスです。 肩(ウデ)の部位の中では最も霜降りが多い部分で、赤身のしっかりとした旨味と、脂の上品な甘みやコクを同時に味わうことができます。
脂の融点(脂肪が溶け始める温度)が低いため、口に入れるととろけるような食感が楽しめます。 カルビのように脂が多すぎてくどいということはなく、濃厚でありながら後味はすっきりしているのが特徴です。 このバランスの良さが、多くの肉好きを魅了しています。
独特の食感と濃厚な旨味
ミスジは、サーロインやヒレといった他の人気部位とはまた違った、独特の食感を持っています。 非常に柔らかく、歯切れが良いのが特徴で、「噛むというより舌で押しつぶせる」と表現されることもあります。
口に入れると、とろけるような感覚とともに、肉本来の濃厚な旨味がジュワーっと広がります。 赤身のさっぱりとした味わいと、ジューシーな脂の甘みが織りなす奥深い味わいは、まさに「味の四重奏」とも言えるでしょう。 この独特の食感と濃厚な味わいが、ミスジならではの格別な美味しさの秘密です。
まずいミスジステーキを卒業!絶品にするための下処理と焼き方

ミスジが「まずい」と感じられる原因の多くは、下処理と焼き方にあります。 ここで紹介するいくつかのポイントを押さえるだけで、ご家庭でもミスジのポテンシャルを最大限に引き出し、驚くほど美味しいステーキを焼くことができます。
焼く前の下準備が重要!常温に戻す
ステーキを美味しく焼くための基本中の基本ですが、調理を始める30分〜1時間前には冷蔵庫から肉を出し、必ず常温に戻しておきましょう。 冷たいままの肉を急に加熱すると、表面だけが焼けてしまい、中心部まで均一に火が通りません。
中が生焼けになったり、逆に火を通そうとして表面を焼きすぎて硬くなってしまったりする原因になります。 肉の中心温度を室温に近づけておくことで、熱がスムーズに伝わり、焼きムラがなく、ジューシーで柔らかな仕上がりになります。 これはミスジに限らず、あらゆるステーキ調理で重要な工程です。
筋切りで硬さを解消する
ミスジがまずいと感じる大きな原因である「真ん中の硬い筋」。 この問題を解決するのが筋切りです。焼く前に、この筋を断ち切るように数カ所、包丁の先で切り込みを入れます。
また、肉の繊維を断ち切るようにカットすることも重要です。 繊維に沿って切ると硬く感じやすいため、繊維の流れに対して垂直に包丁を入れることで、より柔らかい食感になります。
焼き方の基本!強火で短時間がポイント
家庭でミスジステーキを焼く際は、フライパンをしっかりと熱し、強火で表面を素早く焼き固めるのがコツです。これにより、肉の旨味を内部に閉じ込めることができます。
- フライパンを強火で熱し、牛脂またはサラダ油をひきます。
- 塩こしょうを振ったミスジを入れ、片面を1分ほど焼いて、こんがりとした焼き目をつけます。
- 裏返したら火を少し弱め、もう片面を40秒〜1分ほど焼きます。
焼き時間は肉の厚みによって調整が必要ですが、基本は「強火で短時間」と覚えておきましょう。 焼きすぎると硬くなってしまうため、手早く行うのがポイントです。
| 肉の厚さ | 焼き時間の目安(弱火) |
|---|---|
| 2cm | 約5分 |
| 3cm | 約10分 |
※上記は低温でじっくり焼く場合の一例です。強火で焼く場合はより短時間になります。
火の通り過ぎを防ぐ!余熱を上手に使う
両面に焼き色がついたら、すぐに火から下ろします。しかし、これで完成ではありません。ここから余熱で火を通す工程が、ジューシーで柔らかなステーキに仕上げるための最後の重要なステップです。
焼きあがったステーキをアルミホイルで包み、5分ほど置いて肉を休ませます。 これにより、肉内部の温度が均一になり、興奮状態だった肉汁が落ち着いて全体に行き渡ります。 この工程を省くと、カットした際に美味しい肉汁が流れ出てしまい、パサついたステーキになってしまいます。余熱調理をマスターすれば、プロのような完璧なミディアムレアのステーキが実現できます。
美味しいミスジの選び方と保存方法

せっかくミスジステーキを作るなら、素材となるお肉選びも重要です。新鮮で質の良いミスジを見分けるポイントと、美味しさを損なわない保存方法を知っておきましょう。
見た目で見分ける!鮮度の良いミスジの特徴
スーパーや精肉店でミスジを選ぶ際は、以下の3つのポイントをチェックしてみてください。
- 色: 鮮やかで明るい赤色をしているものを選びましょう。 時間が経つと黒ずんだ色になってくるため、鮮度のバロメーターになります。脂身(サシ)の部分は、濁りのないきれいな白色をしているのが理想です。
- サシの入り方: 霜降りが細かく、均等に入っているものが良質です。 このサシが、とろけるような食感と脂の甘みを生み出します。
- 筋の状態: ミスジの特徴である真ん中の筋が、なるべく細く薄いものを選びましょう。 筋が太すぎると、下処理をしても硬さが残りやすくなります。
これらのポイントを押さえることで、より美味しいミスジに出会える確率が高まります。
通販やスーパーでの選び方のポイント
最近では通販でも手軽にミスジを購入できるようになりました。通販で購入する際は、信頼できるお店を選ぶことが何よりも大切です。お店のレビューや評価を参考にしたり、A5ランクなどの和牛の等級が明記されているお店を選ぶと良いでしょう。
スーパーで選ぶ場合、特に海外産のミスジは国産和牛に比べて赤身が多く硬い傾向があるため、注意が必要です。 ステーキとして食べるなら、なるべく霜降りの入ったものを選ぶか、煮込み料理などに使うことを前提に選ぶのがおすすめです。国産牛や和牛の表示があるものを選ぶと、失敗が少ないでしょう。
正しい保存方法で美味しさをキープ
購入したミスジをすぐに使わない場合は、適切な方法で保存し、鮮度と美味しさを保つことが重要です。
- 冷蔵保存: ラップで空気が入らないようにぴったりと包み、さらにジッパー付きの保存袋などに入れてから冷蔵庫のチルド室で保存します。 消費期限内に使い切るのが原則です。
- 冷凍保存: 長期間保存したい場合は、1枚ずつラップで丁寧に包み、冷凍用の保存袋に入れて冷凍します。 空気に触れると酸化や乾燥(冷凍焼け)の原因になるため、できるだけ空気を抜いて密閉するのがポイントです。
ステーキだけじゃない!ミスジの美味しい食べ方アレンジレシピ

ミスジはステーキで食べるのが定番ですが、その美味しさは他の調理法でも存分に活かすことができます。 ここでは、ステーキ以外のミスジの魅力を引き出す、おすすめのアレンジレシピをいくつかご紹介します。
贅沢な味わい!ローストビーフ
赤身の旨味が強く、適度なサシが入ったミスジは、ローストビーフにも最適な部位です。塊肉が手に入ったら、ぜひ挑戦してみてください。
作り方は、まず塩こしょうやハーブをすり込んだミスジの塊の表面を、フライパンで香ばしく焼き固めます。その後、オーブンや低温調理器でじっくりと中まで火を通します。 低温でゆっくり加熱することで、肉汁を逃さず、しっとりと柔らかな仕上がりになります。 薄くスライスして、わさび醤油やオニオンソースでいただけば、特別な日の一皿にぴったりの贅沢な味わいが楽しめます。
手軽で美味しい!焼肉
薄切りにされたミスジは、焼肉で食べるのが手軽で間違いのない美味しさです。 ミスジの魅力であるとろけるような食感と脂の甘みをダイレクトに感じることができます。
焼き方のポイントは、やはり「焼きすぎない」こと。 網やホットプレートでさっと両面を炙る程度で十分です。焼きすぎると硬くなってしまうので注意しましょう。 味付けは、肉本来の味を楽しむために塩とわさびであっさりといただくのがおすすめです。 もちろん、甘辛いタレとの相性も抜群です。
旨味を活かす!煮込み料理
ミスジの特徴である真ん中の筋は、ステーキや焼肉では硬さが気になることがありますが、じっくり煮込むことでコラーゲンが溶け出し、トロトロの食感に変化します。
この特性を活かして、ビーフシチューや赤ワイン煮込みなどの煮込み料理に使うのも非常におすすめです。 ミスジから出る濃厚な出汁がソースに深いコクと旨味を与え、お肉自体も驚くほど柔らかく仕上がります。少し硬めの海外産ミスジや、筋が太い部分などは、煮込み料理に活用することで、無駄なく美味しくいただくことができます。
まとめ:ミスジステーキがまずいという誤解を解き、美味しさを最大限に引き出そう

今回は、「ミスジステーキがまずい」と感じる原因と、その誤解を解いて美味しく食べるための方法について詳しく解説しました。
この記事のポイント
ミスジがまずいと感じる主な原因は、「硬い筋」「焼きすぎ」「肉の品質・産地の違い」にあります。
ミスジは牛の肩甲骨の内側にある希少部位で、赤身の旨味とサシのバランスが絶妙な、本来は非常に美味しいお肉です。
美味しく食べるには、焼く前に「常温に戻す」「筋切りをする」といった下処理が重要です。
焼き方のコツは「強火で短時間」で表面を焼き、「余熱」でじっくり火を通すことです。
ステーキだけでなく、*焼肉やローストビーフ、煮込み料理など、様々な調理法でその魅力を楽しめます。
「ミスジはまずい」というイメージは、部位の特性を知らずに調理してしまった結果生まれる誤解であることが多いのです。正しい知識と少しのコツさえ押さえれば、ご家庭でもミスジ本来のとろけるような食感と濃厚な旨味を存分に引き出すことができます。この記事を参考に、ぜひ絶品のミスジステーキに挑戦してみてください。



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