カルビとハラミ比較！部位・味・カロリーの違いから美味しい食べ方まで

焼肉屋さんに行くと、多くの人が注文する「カルビ」と「ハラミ」。どちらも焼肉の定番で絶大な人気を誇りますが、この二つの違いを詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。

「なんとなくカルビは脂が多くて、ハラミは赤身っぽい」というイメージはあるけれど、実は部位の分類から味わい、食感、カロリーに至るまで、たくさんの違いがあるのです。

この記事では、焼肉の二大巨頭であるカルビとハラミの違いを、さまざまな角度からやさしく、そして詳しく比較していきます。それぞれの特徴を知ることで、あなたの焼肉ライフがもっと豊かで楽しいものになること間違いなしです。

カルビとハラミの基本的な違いを比較

焼肉のメニュー選びで欠かせないカルビとハラミですが、その違いはどこにあるのでしょうか。 見た目が似ていることもあり混同されがちですが、実は牛の体のまったく異なる部分のお肉なのです。ここでは、部位、味わい、食感といった基本的な違いから、それぞれの見分け方まで詳しく解説していきます。これらの違いを知ることで、その日の気分や好みに合わせて、より的確に美味しいお肉を選べるようになりますよ。

部位はどこ？カルビはバラ肉、ハラミは横隔膜

カルビは、韓国語で「あばら骨」を意味する言葉で、その名の通り牛のあばら骨周辺のお肉（バラ肉）を指します。 この部位は、赤身と脂身が層になっているのが特徴で、焼肉店では「三角バラ」や「カイノミ」といったさらに細かい部位に分けて提供されることもあります。

一方、ハラミは牛の横隔膜の筋肉の部分を指します。 見た目や食感は赤身肉によく似ていますが、実は分類上は「内臓（ホルモン）」に含まれるのです。 初めて知った方は驚かれるかもしれませんね。しかし、ホルモン特有のクセはほとんどなく、赤身肉の美味しさと内臓肉ならではの柔らかさを兼ね備えているのがハラミの大きな魅力です。 牛一頭からわずか2〜3kgしか取れない希少な部位でもあります。

味と食感の違いは？ジューシーなカルビと弾力のあるハラミ

部位が違えば、当然ながら味や食感も大きく異なります。どちらが良いということではなく、それぞれに個性的な魅力があります。

カルビの最大の魅力は、なんといっても脂の甘みとジューシーさです。 網の上で焼くと、サシ（脂肪）が溶け出して肉汁があふれ、香ばしい香りが立ち上ります。口に入れるととろけるような柔らかさと、濃厚でこってりとした味わいが広がるのが特徴です。 白いご飯との相性は抜群で、「焼肉といえばカルビ！」という根強いファンが多いのも頷けます。

対してハラミは、カルビに比べると脂肪が少なく、赤身肉に近いあっさりとした味わいが特徴です。 それでいて、筋繊維が細かいため適度な弾力がありながらも驚くほど柔らかい食感を楽しめます。 噛むほどに肉本来の濃厚な旨みがじわじわと広がり、肉々しさをしっかりと感じられるのが魅力です。脂っこさが少ないため、たくさん食べても胃もたれしにくいという声もよく聞かれます。

見た目の違いと見分け方

カルビとハラミは、見た目にも違いがあります。焼肉店で盛り合わせを注文した際などに見分けるポイントを知っておくと便利です。

カルビは、赤身の間に白い脂肪の線が網目のように細かく入っている「サシ（霜降り）」が特徴的です。 特に上質なカルビほど、このサシがきれいに入っており、見るからに脂がのっていることが分かります。焼く前からしっとりとしたツヤがあり、一切れの厚みも比較的薄いことが多いです。

一方、ハラミはカルビほどサシは多くなく、全体的に赤身が主体に見えます。 しかし、よく見ると赤身の中に適度に脂肪が含まれており、これがハラミ特有のジューシーさと柔らかさを生み出しています。 肉の繊維がはっきりと見えるのも特徴の一つです。カルビに比べると少し厚めにカットされていることが多いかもしれません。

お店で注文する際に迷ったら、こってり濃厚な気分なら「カルビ」、お肉の旨みをしっかり味わいたい気分なら「ハラミ」というように、その日のコンディションや好みに合わせて選んでみてください。

カロリーや栄養素を比較！ヘルシーなのはどっち？

焼肉を思いっきり楽しみたいけれど、やっぱりカロリーや栄養面も気になりますよね。「カルビは脂が多いから高カロリーだろうな」というイメージは多くの方が持っていると思いますが、実際にハラмиと比較するとどれくらい違うのでしょうか。ここでは、カルビとハラミのカロリーや脂質、そしてタンパク質などの栄養素について詳しく比較していきます。ダイエット中の方や健康を意識している方は、ぜひ参考にしてください。

部位別のカロリー比較

一般的に、100gあたりのカロリーを比較すると、やはりカルビの方がハラミよりも高カロリーです。

• 和牛カルビ（バラ）：約517kcal
• 牛ハラミ：約344kcal

もちろん、これはあくまで目安の数値であり、牛の種類（和牛か輸入牛か）やサシの入り具合によって変動はあります。しかし、脂質の多いカルビが高カロリーであることは間違いありません。

ダイエット中に焼肉を食べるなら、ハラミを選ぶ方がカロリーを抑えられます。 ハラミはカロリーが控えめでありながら、しっかりとした食べ応えと満足感を得られるため、ダイエット中でも罪悪感なく楽しめる嬉しい部位と言えるでしょう。

糖質や脂質の含有量

カロリーの違いに最も大きく影響しているのが脂質の量です。

• カルビは、そのジューシーさの源である脂質が非常に豊富です。 100gあたりに含まれる脂質の量は、部位によっては40gを超えることもあります。
• 一方、ハラミは赤身肉に近い性質を持っているため、カルビと比較すると脂質の含有量はぐっと少なくなります。 その差は歴然で、ハラミの方がヘルシーであると言われる大きな理由がここにあります。

糖質については、どちらの部位も肉そのものにはほとんど含まれていません。そのため、糖質制限ダイエットを行っている方にとっては、カルビもハラミも適した食材と言えます。 ただし、焼肉のタレには糖質が多く含まれていることがあるため、タレのつけすぎには注意が必要です。

タンパク質やその他の栄養素

カルビとハラミは、どちらも私たちの体を作る上で欠かせないタンパク質を豊富に含んでいます。 タンパク質は筋肉や臓器、皮膚などを構成する重要な栄養素であり、基礎代謝を維持するためにも必要です。

• ハラミは、カルビに比べて脂質が少ない分、タンパク質の割合が高くなります。 100gあたり約18g〜22gものタンパク質を含んでおり、これは良質な赤身肉に匹敵するレベルです。
• カルビもタンパク質を含んでいますが、脂質の割合が多いため、ハラミと比較するとやや少なめです。

また、どちらの部位にもビタミンB群や鉄分、亜鉛といったミネラルが含まれています。 特にハラミは、タンパク質の合成を助ける亜鉛を豊富に含んでいるため、効率的に体づくりをしたい方にもおすすめです。 鉄分も含まれているので、貧血気味の方にも嬉しい食材ですね。

総合的に見ると、より低カロリー・低脂質で高タンパクなのはハラミと言えます。 ヘルシー志向の方や、たくさんお肉を食べたいけれどカロリーが気になるという方は、ハラミを中心にメニューを組み立てると良いでしょう。

美味しい食べ方と焼き方のコツ

せっかく美味しいカルビやハラミを食べるなら、最高の状態で味わいたいですよね。実は、部位の特性に合わせた焼き方のコツがあるのをご存知でしたか？焼き加減ひとつで、お肉の味や食感は大きく変わります。また、それぞれのお肉に合うタレや薬味を選ぶことで、その魅力はさらに引き立ちます。ここでは、カルビとハラミを最大限に楽しむための美味しい焼き方と、おすすめの食べ方をご紹介します。

カルビの美味しい焼き方

脂の多いカルビは、焼きすぎると硬くなってしまい、せっかくのジューシーさが失われてしまいます。 美味しく焼くためのポイントは「強火で短時間」です。

1. 十分に熱した網の中心、火力が強い場所にカルビを置きます。
2. 片面にしっかりと焼き色をつけ、肉汁が表面にじゅわっと浮き出てきたら、ひっくり返すタイミングです。
3. 裏面はさっと炙る程度でOK。 目安としては、片面を8割、裏面を2割焼くイメージです。
4. 何度もひっくり返すと旨みが逃げてしまうので、ひっくり返すのは一度だけにするのが理想です。

脂が多いので、焼いていると炎が上がりやすいですが、その際は網の端に少し移動させて炎を落ち着かせましょう。香ばしい焼き目をつけつつ、中はレア気味に仕上げることで、カルビ特有のとろけるような食感と脂の甘みを存分に堪能できます。

ハラミの美味しい焼き方

赤身肉に近い性質を持つハラミは、カルビとは少し違った焼き方がおすすめです。内臓肉に分類されるため、カルビよりも少しだけしっかりと火を通すのがポイントです。

1. こちらも火力の強い網の中心で焼き始めます。
2. 表面に肉汁が浮かんできたら裏返します。
3. 両面にこんがりとした焼き色をつけ、表面はカリッと、中はミディアムレアくらいに仕上げるのが理想的です。
4. 厚切りのハラミの場合は、側面もしっかりと焼き固めると、肉汁を中に閉じ込めることができます。

焼きすぎると硬くなってしまうのはハラミも同じですが、少ししっかりめに焼くことで、香ばしさと肉の旨みが引き立ちます。 絶妙な焼き加減で、ハラミならではの弾力と柔らかさを楽しんでください。

おすすめのタレと薬味

お肉の味をさらに引き立てるタレや薬味の選び方も重要です。

• カルビ：濃厚な脂の旨みと甘みには、甘辛い醤油ベースのタレがよく合います。 タレの味がしっかりしているので、白ごはんがどんどん進むことでしょう。味に変化をつけたいときは、コチュジャン（唐辛子味噌）を少し加えたり、サンチュやエゴマの葉で巻いてさっぱりといただくのもおすすめです。
• ハラミ：肉本来の旨みが強いハラミは、その味を活かすシンプルな味付けがぴったりです。 塩とレモンであっさりといただくのはもちろん、わさび醤油やポン酢も相性抜群です。 シンプルな味付けにすることで、噛むほどに広がるハラミの深い味わいをより一層感じることができます。

焼肉店での注文のポイント

焼肉店のメニューを見ると、「上カルビ」や「特上カルビ」など、同じ部位なのにランク分けされていたり、「ハラミ」とよく似た「サガリ」という名前があったりして、どれを頼めばいいか迷ってしまうことはありませんか？これらの違いを知っておくと、より自分の好みに合ったお肉を選べるようになります。ここでは、焼肉店でスマートに注文するための豆知識をご紹介します。

「上カルビ」「特上カルビ」の違いとは？

「カルビ」「上カルビ」「特上カルビ」といったランク分けは、実は法律などで明確な基準が定められているわけではありません。 基本的には、各焼肉店が独自に設定した基準によってランク付けされています。

一般的には、以下のような違いがあります。

• 並カルビ：主に「トモバラ」という部位が使われることが多く、脂身は多いですが、肉質は比較的しっかりしています。
• 上カルビ・特上カルビ：サシ（霜降り）の入り方で区別されることが多いです。 サシがよりきめ細かく、美しい霜降りになっている希少部位（例えば「三角バラ」など）が「上」や「特上」として提供されます。

つまり、「上」や「特上」になるほど、脂の質が良く、とろけるような食感と甘みが強くなる傾向にあります。 もちろん、その分価格も上がります。お店によっては、赤身と脂身のバランスが良いものを「上」とするなど、基準は様々です。 気になる場合は、店員さんに「今日の特上カルビはどの部位ですか？」と尋ねてみるのも良いでしょう。

ハラミとサガリの違いは？

メニューに「ハラミ」と並んで「サガリ」が書かれているお店もあります。実はこの二つ、どちらも牛の横隔膜の筋肉で、非常に近い部位なのです。

• ハラミ：横隔膜の背中側にある薄い部分を指します。
• サガリ：横隔膜の肋骨側にある厚い部分を指します。

どちらも見た目や食感はよく似ていますが、一般的にサガリの方がハラミよりも脂肪が少なく、よりあっさりとしていてヘルシーだと言われています。 一方で、ハラミの方がサガリよりも濃厚な旨みとコクがあると感じる人もいます。

牛1頭からとれる量はサガリの方が少なく、より希少な部位とされています。 地域によってはハラミとサガリを区別せずに「ハラミ」として提供しているお店もあるようです。もしメニューに両方あれば、ぜひ食べ比べてみて、その繊細な違いを楽しんでみてください。

迷ったときの選び方

これまでの情報を踏まえて、気分やシーンに合わせた選び方のポイントをまとめました。

• こってり濃厚、とろける脂の甘みを堪能したいとき → カルビ（特別な日には奮発して上カルビや特上カルビも！）
• お肉の旨みをしっかり味わいたい、でも脂っこいのは苦手なとき → ハラミ
• カロリーや脂質が気になる、ヘルシー志向のとき → ハラミやサガリ
• とにかく白いご飯と一緒にガッツリ食べたいとき → タレで味わうカルビ
• お酒と一緒に、肉本来の味をじっくり楽しみたいとき → 塩やわさびで味わうハラミ

焼肉は、誰と、どんな気分で食べるかによっても美味しさが変わってきます。ぜひ、これらのポイントを参考にして、最高の焼肉体験を楽しんでください。

まとめ：カルビとハラミ比較、あなたのお好みはどっち？

今回は、焼肉の定番であるカルビとハラミについて、部位や味、カロリーなど様々な角度から比較してきました。

カロリー面では、脂質が少ないハラミの方がヘルシーで、ダイエット中の方やさっぱりと食べたい方におすすめです。 焼き方にもそれぞれコツがあり、カルビは「強火でさっと」、ハラミは「表面をカリッと、中はミディアムレア」に焼くことで、それぞれの持ち味を最大限に引き出すことができます。

どちらが優れているということではなく、それぞれに個性的な美味しさがあります。こってりジューシーな味わいが気分の日はカルビ、肉本来の旨みをじっくりと味わいたい日はハラミ、というように、その日の気分や一緒に食べる相手の好みに合わせて選ぶのが、焼肉を最も楽しむ秘訣と言えるでしょう。

この記事が、あなたの焼肉ライフをより一層豊かなものにする一助となれば幸いです。